公開日 2018年11月05日 | 更新日 2018年11月05日

獨協医科大学

循環器・腎臓内科

教室の概要

獨協医科大学循環器・腎臓内科には、関連施設も含めると約30~40人の教室員が在籍しています。そして、当教室は循環器内科と腎臓内科が一緒になっている教室です。これは全国的にみても珍しく、当教室の大きな特徴のひとつです。
また、獨協医科大学病院内で学位や専門医の資格を取得しながら、本人の希望により、不整脈や心臓カテーテル、腹膜透析などでトップクラスの実力を誇る施設へ研修に行くことも可能です。獨協医科大学循環器・腎臓内科は、循環器領域と腎臓領域において高度な技術を取得しながら、自分の興味のある分野を突き詰める環境の整った教室です。

医局情報

診療科 循環器内科
専門分野 循環器・腎臓内科
症例・
手術数
心臓病、高血圧、末梢血管疾患
関連病院

当院

関連病院

専門分野

4つのグループが存在

獨協医科大学循環器・腎臓内科は、主に循環器疾患である、心臓病、高血圧、末梢血管疾患と、腎臓病である腎炎や人工透析の治療と研究を行っています。そして、教室内は、心臓カテーテル、心エコー、不整脈及び腎臓・高血圧の4つのチームに分けられています。

入局して1年目は、一通りの分野を経験するために、すべてのグループを回ります。そして、2年目以降は、自分の興味のあるグループに所属してもらい、それぞれの分野の研究や診療に取り組みます。

心疾患と腎臓

獨協医科大学循環器・腎臓内科は全国でも数少ない、循環器と腎臓内科が一緒になっている教室です。心臓と腎臓には深い繋がりがあるということが認識されています。心臓と腎臓は共通する血管系で繋がっており、心臓の血管が痛んでいると、腎臓の血管にも障害が現れます。実際に、心不全の患者さんは腎不全を起こしやすく、逆に、腎不全の患者さんは心不全を起こしやすいという相互関係があります。

そのため、循環器内科と腎臓内科が共に患者さんを診ていくことにより、何か障害が起きた際の対処を非常にスムーズに行うことができます。例えば、透析患者さんの不整脈や冠動脈疾患に直ちに対応でき、造影剤による腎障害や心不全による体液量の過剰に対し速やかに透析を行うことができます。このように患者さんによりよい医療を提供できると共に、スタッフ同士もお互いにカバーし合えるため、仕事に取り組みやすい環境になっています。

獨協医科大学病院は多数の典型的な症例が集まる

獨協医科大学病院には栃木県という地方の中核病院という環境から、プライマリケアから高次医療まで多くの典型的な症例が集まってきます。そのため、多くの興味深い症例を実際に診ながら研究を進めることが可能です。また、獨協医科大学では共同で研究施設が使用できるようになっています。動物実験や細胞培養などの際は、みな自由に施設を使用しています。

教育体制・キャリアパス(専門医及び学位の取得)

1.研修の流れ

入局後卒後3年、4年目では、獨協医科大学病院での勤務となります。そして、循環器領域と腎臓領域の両方の疾患に対して、専門的な知識と技術を身につけていきます。そして、卒後5年目以降は、自分の専門としたい分野のグループに所属し、その分野を中心に研究や臨床を行います。

外部病院での研修も可能

獨協医科大学循環器・腎臓内科では、本人の希望に応じて卒後5年目以降は、外部施設での研修が可能です。心疾患について専門的に勉強したい場合は、不整脈において日本でトップクラスの群馬県立心臓血管センターへの派遣実績があります。また、心臓カテーテルでは心臓血管研究所付属病院、腎臓では聖マリアンナ医科大学、腹膜透析に精通している先生が在籍する小倉記念病院などへも教室員を派遣しています。現在、新しい施設の開拓も積極的に行っています。

2.キャリアパス

獨協医科大学循環器・腎臓内科では、約8年から10年かけて、学位や専門医の資格を取得しながら、自分の専門とする分野の学識・技術を身につけていきます。そして、その後のキャリアパスは、本人の意思によってさまざまです。そのまま教室に残留し、講師として若い医師の指導にあたるスタッフもいれば、栃木県内・近県の専門施設や基幹病院で働くスタッフもいます。また、開業医として活躍しているケースもあります。

3.学位・専門医の取得

大学院へ進学し学位を取得するスタッフが約8割

獨協医科大学循環器・腎臓内科に入局するスタッフは、入局とともに大学院へ進学し学位を取得する方が約7割と多い傾向にあります。そして、残りの3割の教室員は臨床を中心に行い、専門医の資格を取得しています。獨協医科大学循環器・腎臓内科で取得可能な主な認定医、専門医、指導医は以下のものがあります。

  • 認定内科医
  • 総合内科専門医
  • 循環器専門医
  • 腎臓専門医
  • 透析専門医
  • 高血圧専門医
  • 日本心血管インターベンション治療学会 認定医 専門医

医局の構成

所属医師 30名
専門医

循環器専門医6名、腎臓専門医3名、透析専門医2名、高血圧専門医2名

男女比

23:7

所属医師の
主な出身大学

獨協医科大学、東京大学、東北大学

同大学出身者と
他大学出身者の比率

同:他 = 7:1

獨協医科大学出身者が多数 他大学出身も歓迎

2017年現在、獨協医科大学循環器・腎臓内科の教室員のほとんどが、獨協医科大学の卒業生です。しかし、他大学出身だからといってhesitateする必要はありません。いざ入局をし、毎日共に仕事をしていると、出身大学が違うからといって教室に馴染めないという方はいません。現在も他大学出身者が数名在籍していますが、みな教室に溶け込み、力を合わせながら日々臨床・研究に励んでいます。他大学出身の方々も大歓迎です。

女性の教室員は2~3割 女性も働きやすい環境を整備

循環器というと、女性が働きやすい分野ではないと考える方も多いと思われます。しかし、獨協医科大学循環器・腎臓内科のスタッフは、比較的女性も多く、全体の2~3割が女性の教室員です。

心臓カテーテルなどを専門とすると、昼夜問わずいつでも対応しなくてはならないため、子育てをしている方にとっては難しい環境となってしまうのが現状です。しかし、心エコーや透析などは緊急に呼び出されることは少ないため、結婚後や出産後の女性でも、継続して働きやすい環境です。

また、獨協医科大学自体でも、女性の育児とキャリア形成の両立を考慮した制度が設けられています。たとえば、朝は数時間遅くに出勤して、夜は早めに退勤するといった時短勤務も可能ですし、週の出勤日数を減らすこともできます。

循環器・腎臓内科にも、そういった制度を活用して働いている女性の教室員が、現在3人ほどいます。家族との時間を大切にしながら、しっかりとキャリア形成が可能な環境を整えています。

研修生へのメッセージ

入局先を決めるということは、就職先を決めることと同様であり、非常に重要なことです。そのため、収入や自分に合った環境なのかなど、不安に思うことは沢山あると思います。しかし、入局先を決める際に最も重要視していただきたいことは、興味があることかどうかです。興味があり面白いと思っている分野であれば、もし壁にぶつかったとしても乗り越え、一途に続けていくことができます。獨協医科大学循環器・腎臓内科では、興味のあることにまっすぐで明るく元気な方をお待ちしています。

この医局の情報をインタビューさせて頂いた先生

獨協医科大学 循環器・腎臓内科 教授

石光 俊彦 先生

日本高血圧学会の理事を務める高血圧診療・研究のエキスパート。動脈硬化を基盤として進展する循環器疾患とともに腎不全・透析まで腎臓病を包括した心腎連関の領域を専門とする。県内の医療機関から紹介される難治性高血圧の患者を中心に、二次性高血圧の確定診断など、専門的な医療を提供している。高血圧の病態に応じて複数の降圧薬を組み合わせ、効果的かつ安全に血圧をコントロールすることにより、長期的に心血管疾患や循環器系臓器障害の抑制を目標とした治療を実践する。