公開日 2019年08月08日 | 更新日 2019年08月08日
北里大学循環器内科学教室
大学病院でありながら地域医療を支える病院として、循環器のすべてを診療
当教室では、すべての循環器の疾患に関して、標準以上の治療が行えると自負しています。その理由は、本学が存在する地域の特性によるものです。本学が所在する神奈川県相模原市は神奈川県内で第3位の人口を誇るにもかかわらず市民病院がなく、その機能を本学や他の総合病院が担っています。そのため大学病院として先進医療の実施や研究などを行いながらも、「市民の健康を守る」という使命を果たすためにあらゆる疾患に対する診療体制を整えているのです。
心不全、不整脈、虚血性心疾患、structural heart disease治療、動脈硬化、心臓リハビリテーション、予防医学、救命救急などあらゆる分野のスペシャリストが在籍し、救急、治療、リハビリテーションなど、患者さんが回復し元気に退院されるまで一貫して関わることができます。国内の大学病院でも、これほどバランスよく診療を行う循環器内科はないのではないでしょうか。
唯一、本学循環器内科で実施できないものは移植ですが、こちらも将来的には実施することも視野に入れています。
医局情報
診療科 | 循環器内科 |
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専門分野 | 循環器内科学 |
症例・ 手術数 |
虚血性心疾患819例、心不全544例、不整脈531例(2018年度疾患別入院者数) |
関連病院 |
当院 関連病院 |
専門分野
6つの専門班にわかれて臨床・研究を行う
地域病院・大学病院の双方の顔を持つ本学ならではの各分野に精通した研究グループによって、最先端の医療や多様な症例をみることができます。また本学には獣医学部が併設されていることから、動物実験も可能です。「American journal of medicine」「Circulation Journal」への掲載実績もあります。
ケースレポートは若い医師も積極的に発表しており、年間30〜40例ほど報告を行っています。自身の成果が形となったときの喜びは、ひとしおです。
心不全班
心不全の予防・治療
「そうだったのか、心不全!」 (北里オリジナル 患者指導・学習用DVD)の作成
心不全症例のデータベースから臨床フォローデータを用いた研究や、エコー、CT、MRIなどの画像所見を用いた臨床研究を積極的に行っています。
不整脈班
カテーテルアブレーション、心室細動、心室頻拍におけるICD(植込み型除細動器)、WCD(着用型除細動器)、不整脈の発生機序の研究、ICDの使用に関する研究 など
不整脈モデル動物を用いた基礎実験を中心に行っています。犬などの大型動物を用いた実験を数多く実施しています。
虚血・動脈硬化班
心臓カテーテル検査・治療、TAVI
OCTなどの画像モダリティを用いた臨床研究や、in vitroの細胞実験や豚などの大型動物を用いた心筋梗塞モデルによる基礎実験を行っています。多施設共同大規模試験にも多く参加し、なかには当科が中心となって施行しているものもあります。
予防医学班
心臓・血管疾患の再発予防
二次予防患者における臨床研究を行っています。
心臓リハビリテーション班
運動療法、リハビリテーションに関するエビデンスの構築のための研究
長年にわたる心臓リハビリテーション患者のデータベースから患者予後規定因子の同定やリハビリテーションの与える影響に関する研究を継続的に行っています。
救命救急班
北里大学病院救命救急・災害医療センターでの救命救急治療(急性心筋梗塞、急性心不全、肺梗塞などの急性期循環器疾患、外傷治療、中毒、災害医療、プレホスピタル医療 など)
プレホスピタルのクラウドECGなどを用いた臨床研究や、院外心停止例の予後予測因子などに関する臨床研究を行っています。
2018年度疾患別入院者数
- 虚血性心疾患819例
- 心不全544例
- 不整脈531例
教育体制・キャリアパス(専門医及び学位の取得)
1.研修の流れ
上のグラフは2017年5月現在の研修プログラムの内容です(今後の新専門医制度に伴い、変更する予定です)。
当教室の研修プログラムは、臨床を主軸として研究なども行える点にあります。まずは内科医として、そして循環器領域のスペシャリストを育成します。
2.入局後の流れ
1年目:内科医として資質を伸ばすとともに、専門分野を決定し、専門分野についても詳細に学びます。初診外来・専門外来を担当することによる外来診療能力の向上、主治医のもとでの病棟診療能力の向上、研修医への助言や指導の実施などを行います。
2年目:循環器内科医としてさらなる技術を獲得するために、高度な診断・治療・予防などに取り組みながら、臨床研究にも携わります。4か月以上、強化したい分野に特化して修練ができます。
3〜4年目:集学的医療を担える医師として管理能力を高めます。研修医の指導や臨床研究の実施などを行います。4年目から大学院へ進学する医師も多いです。
7年目〜:循環器専門医を取得します。
3.キャリアパス
研修修了後は、大学に残って講師などになり、臨床・研究と後進の指導を行うコース、関連病院へ出向し部長など臨床のエキスパートを目指すコースが挙げられます。
個人の希望に合わせて、最適なキャリアパスを実現できるよう全力でサポートします。
4.関連病院
神奈川県内を中心に東京都、静岡県などに多数の関連病院をそろえています。
- 愛川北部病院
- あけぼの病院
- NTT東日本病院
- 海老名クリニック
- 江戸川病院
- 小澤病院
- 小田原市立病院
- かながわ循環器内科
- 北里大学北里研究所病院
- 北里大学メディカルセンター
- 小島クリニック
- 阪クリニック
- さがみ循環器クリニック
- 相模中央クリニック
- さがみ仁和会病院
- 相模原クリニック
- 相模原赤十字病院
- 静岡市立清水病院
- しながわ内科・循環器クリニック
- 志村クリニック
- 下田メディカルセンター
- 心臓画像クリニック飯田橋
- すずかけ台診療所
- 聖隷横浜病院
- 関根医院(愛甲郡愛川町)
- 田原メディカルクリニック
- 多摩丘陵病院
- 東芝林間病院
- 鴇田医院(座間)
- 長津田厚生総合病院
- 相武台ニーレンクリニック
- 沼津市立病院
- 町田市民病院
- みそのハートクリニック
- 三ツ境病院
- 水戸済生会総合病院
- 森下記念病院
- 大和市立病院
- 横浜栄共済病院
5.留学
スタンフォード大学などへの留学実績があります。現在、スタンフォード大学に1名、パスツール研究所に1名留学しています。過去には、ビッツバーグ大学、ケース・ウェスタン・リザーブ大学などにも留学していた医師もいます。
またMGH(Massachusetts general hospital・マサチューセッツ総合病院)やHospital Clinic Barcelonaなどに留学した方が、直接当医局に入局された例もあります。
留学先は基本的に自身で選択するスタイルですが、こちらで斡旋をすることもあります。
医局の構成
所属医師 | 43名 |
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専門医 | 日本循環器学会環器専門医24名
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男女比 | 35:8 |
所属医師の 主な出身大学 |
東京大学1名、新潟大学1名、山形大学1名、北海道大学2名、 旭川医大1名、東京女子医大1名、神戸大1名、北里大学37名 |
同大学出身者と 他大学出身者の比率 |
7:3 |
同じ目的を持った仲間と、出身大学や性別関係なく共に学び合う
当教室は2018年12月現在、43名が在籍し、8名が女性です。また、北里大学出身者が多く、その割合は7:3程度ですが、学閥のようなものはなく、メンバーがお互いに切磋琢磨しながら日々臨床・研究に励んでいます。
女性医師は全体の5分の1であるものの、各チームの中心となって活躍している方も多くいます。結婚・妊娠・出産・育児といったライフイベントを経験してきた先輩医師もいますから、彼女たちからのアドバイスやサポートを受けながら仕事を続けることも十分に可能です。
研修生へのメッセージ
住所:神奈川県相模原市南区北里1丁目15-1
電話:042-778-8111
公式HP:http://www.kitasato-u.ac.jp/khp/index.html
メディカルノートで病院詳細を見るこの医局の情報をインタビューさせて頂いた先生
北里大学医学部 循環器内科学 教授
阿古 潤哉 先生
虚血性心疾患をメインに循環器疾患の全般の診療・研究と、北里大学医学部教授として医師の育成を務める。患者さんのために、をモットーに研究を重ね、世の中を変える医療を目指している。