公開日 2019年01月25日 | 更新日 2019年01月25日
京都大学整形外科学教室
自由度の高い教室
京都大学医学部附属病院整形外科学教室では、整形外科全般をしっかり学ぶことができるように手厚くサポートしており、自ら学びたい方にとって充実した環境が整えられています。研究や臨床については各グループの自主性に任せるなど、自由な気風が特徴です。
医局情報
診療科 | 整形外科 |
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専門分野 | 整形外科学 |
症例・ 手術数 |
2018年度の総手術数は952件 : 頚椎手術 34件、胸腰椎手術 112件、脊髄腫瘍 28件、人工股関節手術 94件、人工股関節再置換術 21件、人工膝関節手術 152件、人工膝関節手術(単顆置換)10件、膝靱帯再建手術 9例、膝周囲骨きり術など40件、人工肩関節手術 6件、腱板修復術など 23件、人工肘関節手術 8件、人工足関節手術 2件、足の外科手術 38件、手の外科手術 161件、骨接合術 8件、骨軟部腫瘍手術 143件 |
関連病院 |
当院 関連病院 |
専門分野
整形外科すべての分野に取り組む
当教室の専門分野は幅広く、整形外科すべての分野をカバーしています。
- 脊椎
- 手の外科
- スポーツ整形
- 股関節
- 膝関節
- リウマチ
- 骨軟部腫瘍
教育体制・キャリアパス(専門医及び学位の取得)
1.研修の流れ
整形外科では、専門医になるために実質4年間の研修が必要です。当教室では大学で半年間の研修を受けた後、病院で1年半、さらに別の病院で2年間という計3か所で研修を行います。
専門医を取ってからは、整形外科全般の研修に進みます。もしも脊椎や手外科など深く学びたい分野がある場合には、特色ある京大関連病院のなかでも特に希望する病院でサブスペシャリティの研修を行うことができます。あるいは大学で研究に携わるケースもあります。
豊富な臨床経験を重視する
当教室では整形外科全般をしっかり学ぶことを重視しています。そこで、初期研修2年の後、整形外科に入った最初の年から年間100例ほどの手術が経験できるよう手配しています。地域の関連病院は多数の手術症例があるため、豊富な経験を積むことができるはずです。実力に応じてさまざまなレベルの手術に関する指導が受けられます。
近年では、早い段階でサブスペシャリティに特化する教室も増えていますが、整形外科全般の知識を幅広く持って豊富な臨床経験を積むという点では、当教室が随一だと考えています。
2.学位・専門医の取得
学位・専門医について
大学院を希望する方は、他大学出身者を含めて全員が進学しています。4年間の研修の途中で進む方もいれば、研修を終えてから進む方もいます。
学位については、京都大学大学院医学研究科の試験に合格して研修に進んだ方のほとんどが取得しています。
専門医については、他大学と同様、4年間の研修を終えたほとんどの方が取得します。
大学院生は研究に専念できる
当教室の大学院生には臨床の義務はなく、研究に没頭できる環境を用意しています。教室内ではさまざまな研究をすることができますが、特にIPS細胞研究所や基礎研究室とコラボレーションして学べる点は、京都大学ならではの特徴といえます。
3.関連病院
関連病院は50以上
- 京都医療センター
- 京都市立病院
- 京都桂病院
- 洛和会音羽病院
- 京都下鴨病院
- 大阪赤十字病院
- 北野病院
- 関西電力病院
- 神戸市立医療センター中央病院
- 神戸市立医療センター西市民病院
- 神戸市立西神戸医療センター
- 尼崎総合医療センター
- 大津赤十字病院
- 滋賀県立成人病センター
- 倉敷中央病院 など
4.論文・研究実績
論文の発表数
英語原著論文は年間約70報発表しており、今後はさらに多くの論文を発表したいと考えています。現在、基礎・臨床については50報程度、他に整形外科のスタッフが携わっている人間健康科学、IPS細胞研究の論文を合わせると約70報となります。
主要なジャーナル誌
毎年、整形外科のトップジャーナル『Journal of Bone and Joint Surgery (JBJS)』、『Clinical Orthopaedics』、リウマチのトップジャーナル『Arthritis & Rheumatology』に発表しています。また、『Nature Medicine』や『Science 』も、内科の先生や基礎研究の教室とコラボレーションして掲載することがあります。
5.留学
海外留学者は多数
当教室では海外留学希望者が多く、2017年現在では常時5~6人が留学している状況です。
留学先として多く選ばれるのは、スタンフォード大学やロチェスター大学などアメリカの大学です。ヨーロッパへ留学中の方もいます。
基本的に本人の希望する分野を考慮して、教室から留学先を斡旋していますが、少数ながら自分で留学先を探してくる医師もいて、その場合についても教室として適宜サポートしています。ほとんどの場合は、コネクションを利用して留学先のチェアマンに依頼する形をとっています。
6.キャリアパス
整形外科は開業の余地がある診療科
医局を出た方のなかでは、関連病院に部長として勤めている方や、開業している方が多くみられます。整形外科という診療科は受診する患者さんがとても多く、開業する余地があります。手術をするようなクリニック・病院の開業は少なくなりましたが、外来とリハビリをメインとしたクリニックは毎年7~8人が開業しています。
医局の構成
所属医師 | 677名 |
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専門医 | 日本整形外科学会専門医 500名以上
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男女比 | 9 : 1 |
所属医師の 主な出身大学 |
京都大学325名、滋賀医大33名、関西医大32名、大阪医大21名、神戸大学16名など |
同大学出身者と 他大学出身者の比率 |
5 : 5 |
関西圏を中心にさまざまな地方出身者が集う
当教室ではさまざまな大学出身の医師が活躍しています。多様性があるのは京都大学全体の特徴の1つです。当教室の場合、京都大学出身者は40~50%程度で、残りの半分は他大学出身者です。関西圏の国立・私立大学の方をはじめ、さまざまな地方の出身者が集まっています。
教室の在籍者数はおよそ50名です。内訳は、医師として勤めながら在籍している方が約25名、大学院生として研究に専念している方が約25名です。また関連病院に勤めているOB等を含めれば同窓会員数は700名近くになります。
女性の医局員
当教室には毎年約15名が入局しており、そのうち1~2名が女性です。
整形外科という診療科について力が必要となるような手術を想像される方も多く、女性医師は少ないというイメージを持つかもしれません。しかし当教室のセミナーでも紹介している通り、手術のなかにも多様な手技があり、マイクロサージェリーや関節鏡など、強い力が不要な手術もあります。そのため整形外科の現場では女性医師が活躍しています。
女性への手厚いサポートがある
また各個人の働きやすさを追求するため、人事についても各自の環境に合わせて考慮しています。特に女性が結婚や出産をするときは可能な限り手厚いサポートを行っています。たとえば夫の転勤先に合わせて異動する、時間的余裕がある大学へ勤務する、といった希望が通るように融通を利かせることが可能です。ご主人が医師である場合には、転勤先の医局教授とコンタクトを取って女性の勤務先を合わせることもあります。
医局員の実績
当教室の医局員は、各分野において指導的な立場で活躍しています。2012年以降の5年間では、主任教授として近畿大学・大阪医科大学・岐阜大学にそれぞれ1名ずつ、教授としては近畿大学に1名の医局員が輩出されました。
研修生へのメッセージ
この医局の情報をインタビューさせて頂いた先生
京都大学医学研究科 整形外科学 教授
松田 秀一 先生