公開日 2018年11月05日 | 更新日 2018年11月05日
東京医科大学形成外科学分野
全身の形成外科疾患を幅広く対象とする
東京医科大学形成外科学分野は、1975年の設立当初より、外傷や熱傷を含め、顔面から四肢までの全身の形成外科疾患を幅広く専門分野としています。当教室は伝統的に、微小循環(毛細血管と細動脈)と創傷治癒(傷・傷跡の治療)の臨床研究を行っています。
東京医科大学病院(西新宿)における2017年の入院手術は675件、外来手術は1,490件でした。
医局情報
診療科 | 形成外科 |
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専門分野 | 形成外科学分野 |
症例・ 手術数 |
2017年の入院手術は675件、外来手術は1,490件 |
関連病院 |
当院 関連病院 |
東京医科大学形成外科分野の対応疾患
- 熱傷:全身熱傷、局所熱傷、気道熱傷、凍傷、電撃症、化学損傷など
- 皮膚の形成外科:瘢痕拘縮・肥厚性瘢痕・ケロイド・色素異常など
- 眼瞼の形成外科:眼瞼下垂、眼瞼外反症、眼瞼内反症、兎眼症、太田母斑、分離母斑、眼瞼腫瘍、眼瞼損傷など
- 耳介の形成外科:小耳症、埋没耳、袋耳、耳垂裂、折れ耳、副耳、先天性耳瘻孔など
- 外鼻の形成外科:鞍鼻、斜鼻、鼻骨骨折、鼻の腫瘍など
- 軟部組織腫瘍:耳下腺腫瘍、顎下腺腫瘍、粉瘤、脂肪腫、血管腫など
- 顔面外傷:鼻骨骨折、顔面多発骨折、頬骨骨折、上顎骨骨折、下顎骨骨折、顔面神経麻痺、軟部損傷など
- 口唇裂・顎裂・口蓋裂
- 頭蓋顔面外科:頭蓋骨変形、顎変形
- 手足の外科:合多指症、短指症、裂手、絞扼輪症候群などの先天奇形、重度損傷手の再建、腱損傷、神経損傷、骨折、指尖部、爪の再建(陥入爪・巻き爪)など
- 乳房:乳房切除後の乳房再建、乳輪乳頭再建、陥没乳頭手術など
- マイクロサージャリー:切断指肢再接着術、頭頸部悪性腫瘍再建など
- 難治性皮膚潰瘍:糖尿病性下肢潰瘍、虚血性潰瘍などその他:放射線皮膚障害、褥瘡など
教育体制・キャリアパス(専門医及び学位の取得)
1.研修の流れ
東京医科大学形成外科分野では入局後、新宿本院や八王子医療センターなどにおいて後期研修を行います。4年間の後期研修では、約2年を新宿本院、それ以外の期間で関連施設をまわります。
後期研修の期間にまわる関連施設は、おもに東京医科大学の分院である八王子医療センター、茨城医療センター、船橋市医療センター、佼成病院、深谷赤十字病院、春山記念病院、熊谷外科病院、東埼玉総合病院などです。どの施設も関東圏で本院から電車で通える範囲にあり、アクセスが良好です。
2.学位・専門医の取得
4年の研修修了後、専門医をスムーズに取得している
東京医科大学形成外科分野では4年の研修修了後、すみやかに専門医を受験しており、スムーズに専門医を取得できます。主任教授は専門医認定委員会の委員を長らく務めており、受験資格等に精通しているため、的確な指導を受けることが可能です。また当教室は先述の通り幅広い疾患を対象としているため、専門医取得の際にはその経験が有利に働くでしょう。
2通りのルートで学位取得を目指せる
当教室における学位の取得は、研究論文を提出して取得する従来通りのルートと、大学院に進学して取得するルートの2通りがあります。前者のルートでは、臨床論文では6年、基礎医学論文では5年の研究歴が必要です。一方、後者のルートでは、社会人大学院へ進学することが多く、夕方からの講義への出席・研究論文の評価などに基づいて単位を取得し、通常は4年間で学位が取得できます。
3.若手の頃から手術を任せてもらえる
入局1年目から手術で易しい部分を担当し徐々に難易度を上げていく
入局1年目には、専門医の指導のもと皮膚軟部腫瘍などの症例を選び、手術全体のなかで比較的易しい部分を執刀します。入局2年目、3年目以降は、個々の成長に合わせて徐々に手術のなかで比較的難しい部分を担当し、専門医を取得する頃には手術を全体的に担当できる状態を目指します。
4.論文掲載の実績
東京医科大学形成外科学分野には先述の通り若い教室員が多いため、主要ジャーナルへの論文掲載はまだ少ないです。現状では大学院生1名、教室員1名が論文を掲載しました。当教室では、大学院生であれば主要ジャーナルへの論文掲載するようサポートしており、今後は論文掲載の数も増えていくでしょう。
5.研究環境
恵まれた研究環境に加え、研究資金の獲得が優秀
東京医科大学の西新宿キャンパス内に、形成外科の研究スペース・共同研究スペース(病理の画像診断を行う)・動物実験センターがあります。一通りの研究施設が大学病院に隣接しており、研究環境は恵まれています。
また当教室は外部からの研究資金獲得について非常に優秀です。今年度は、研究代表として科研費基盤研究Cを2件、萌芽研究を1件、厚生労働省の受託研究を1件、分担として科研費Sを1件取得しています。私たちはこのように潤沢な研究予算を活用し、医学発展のために日々尽力しています。
6.留学
若手医師の留学を推奨しており国内留学も可能
当教室は、若手医師の留学を推奨しています。本人の希望があれば、国内留学も問題ありません。
実際に教室員が留学したことのある大学
- カンサス大学(アメリカ)
- 南アラバマ大学(アメリカ)
- ワシントン大学(アメリカ)
- 東京医科歯科大学幹細胞医学教室(国内)
7.キャリアパス
専門医取得・大学院進学・留学などあらゆるキャリアパスがある
東京医科大学形成外科分学野では、おもに初期研修ののちに4年間の後期研修を経て、形成外科専門医を取得します。形成外科のサブ・スペシャリティには、皮膚腫瘍外科・小児形成外科・再建外科(マイクロ)・顎顔面外科・手外科・熱傷・美容外科など、いくつかの領域があります。新しい専門医制度においては、前述のサブ・スペシャリティを2つ取得すると、形成外科分野の指導医の資格を得ます。
ほかにも当教室では、社会人大学院生として4年間学んだのちに学位を取得することや、興味ある分野を留学によって極めることもできます。教室員それぞれの将来設計に応じて、あらゆるキャリアパスを描くことが可能です。
産休・育休や短時間勤務など柔軟な働き方が選択できる
当教室では、産休・育休の取得はもちろん、短時間勤務や週に2〜3日の勤務など、それぞれのライフプランに合わせた柔軟な働き方が実現できます。実際に、研究助手を雇い、子育てをしながら研究を続けている女性や、過去には2名、育児休暇を取得した男性もいます。84
医局の構成
所属医師 | 33名(男性15名 女性18名)この内、本院の東京医科大学病院には15名(男5名 女10名) |
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専門医 | 17名 |
男女比 | 5:5 |
所属医師の 主な出身大学 |
東京医科大学、東海大学、獨協医科大学、東京医科歯科大学、千葉大学、琉球大学、弘前大学、島根大学など |
同大学出身者と 他大学出身者の比率 |
16: 17 |
教室の構成・出身大学
東京医科大学形成外科分野には、主任教授1名、講師5名(勤務先:新宿本院3名、八王子医療センター1名、関連病院1名)、教室員25名の計31名が在籍しています。1975年に始まった当教室には、58名のOB・OGの同門がおり、そのなかの2〜3名は2017年現在でも関連病院で指導者として活躍しています。
教室員の約半数は他大学出身で、全国さまざまな大学から集まります。出身大学にとらわれずフランクな雰囲気のなかで、それぞれが活躍しています。
卒業大学
東京医科大学、東海大学、獨協医科大学、東京医科歯科大学、千葉大学、琉球大学、弘前大学、島根大学など
当教室の新宿本院には3名の講師が在籍し、乳房再建・頭頸部再建という専門性で分化しています。そのほかの教室員は3つのグループにわかれ、各グループには1名ずつ専門医が在籍しますが、グループごとに疾患の分担はなく、幅広くすべてを担当します。講師は、主任教授のもと手術計画に沿って担当症例の割り振りを行います。
教室の魅力
女性も多く活躍する教室で非常にフランクな雰囲気
東京医科大学形成外科学分野は、現役の教室員31名のうち約半数の16名が女性です。教室員の男女比が5:5とバランス良く構成され、30歳前後の若い教室員が多いため、フランクな雰囲気の教室です。
当教室の新宿本院における講師3名は全員女性です。2016年には6名(うち女性4名)、2017年には3名(うち女性2名)が入局しており、女性が活躍できる環境が整っています。
研修生へのメッセージ
この医局の情報をインタビューさせて頂いた先生
東京医科大学 形成外科学分野 主任教授
松村 一 先生
1987年に東京医科大学を卒業後、国立東京医療センター(現 国立病院東京医療センター)外科、東京医科大学病院形成外科を経て、1995年よりワシントン大学へ留学。帰国後、東京医科大学形成外科講座にて助(准)教授、教授を務め、2014年より現職。1995年に東京医科大学同窓会ヒポクラテス賞、2000年に東京医科大学同窓会学術奨励賞を受賞した。