公開日 2018年11月05日 | 更新日 2018年11月05日

東京慈恵会医科大学

総合診療内科教室

患者さんがどの診療科にかかるべきか判断する、最初の窓口

東京慈恵会医科大学総合診療内科教室は、内科系外来機能を有する東京慈恵会医科大学附属病院総合診療部をもつ教室です。特に大きな病院であると、患者さんがどこの診療科を最初に受診すべきか迷ってしまうことも少なくありません。また、紹介状を持たず受診される方もいらっしゃいます。そのような患者さんを交通整理するため、最初に患者さんを総合的に診察する診療部として、総合診療部は誕生しました。
東京慈恵会医科大学 総合診療内科には、多様な経歴と専門分野を持つメンバーが集まっています。もちろん、内科出身の医師は多いですが、脳神経外科や放射線科出身の医師もおります。当教室は、専門分野や経歴が多様な医師を広く受けいれるとともに、興味・関心のある分野をとことん極めることができる自由な環境であることが特徴でしょう。臓器別診療に縛られず、多彩な分野を学び、そのなかから自分の学びたいものを究めることができる教室は、珍しいのではないでしょうか。

医局情報

診療科 内科
専門分野 総合診療内科
症例・
手術数
本院総合診療部で約1,000人/月
関連病院

当院

関連病院

多様なバックグラウンドを持つメンバーから学ぶことができる

お話ししたように、教室員のバックグラウンドは、実に様々です。そのため、異なる分野を専門とするメンバーから、学ぶ機会も多いでしょう。たとえば、当教室では週に1度、皆で症例検討会をおこないます。専門分野が異なる教室員と意見を交換することは視野を広げ、貴重な経験になるでしょう。

専門分野

先ほどお話ししたように、当教室のメンバーは多様なバックグラウンドを持ち、専門分野も実に様々です。そのなかでも、漢方専門医が3名在籍していることは大きな特徴であるでしょう。

漢方医が在籍。漢方を専門とする研究の実績がある

私たちの教室の漢方専門医のうち2名は非常勤の医師ですが、1名は常勤の医師です。この常勤の医師は、もともとリハビリテーションが専門の医師でした。患者さんのリハビリをするなかで漢方の効果を体感し、漢方の勉強をするために漢方専門施設で学び漢方専門医を取得したのち、より多様な症例を学ぶことを希望し当教室に入局しました。

また、漢方専門医である他の女性医師は、漢方に関する研究で学位を取得しました。婦人科の医師と協力し、子宮筋腫の手術をした患者さんに対する漢方の効果を研究し、その論文が認められたのです。漢方は数値化し効果を測ることが非常に難しいのですが、各々の証の数値化を行い論文作成しました。このように、当内科は漢方を研究したいという方にもすでに実績があり、よい環境であるでしょう。

どの分野であっても自身の興味・関心を極めることができる環境

また、当教室は、医学教育に非常に力を入れている医局でもあります。それは、総合診療部が学生の指導や外来の実習などにも積極的に取り組んでいるという背景があります。そのため、医学教育を熱心に研究している者もおります。ほかにも、医の倫理の研究をしている者もいれば、不明熱について研究している者もおります。

当教室の研究は、必ずしも主要なジャーナルへ論文を発表することだけを目指し、おこなわれているわけではありません。自身が興味・関心を持つ分野をとことん研究し、極めるためにおこなわれており、たとえ前例のない珍しい研究であっても積極的にサポートしています。

教育体制・キャリアパス(専門医及び学位の取得)

1.研修の流れ

卒後3年目から当教室に後期研修医として入局した場合、1年目は救急部を含む、様々な診療部をローテーションしながら、あらゆる症例の経験を積みます。それは、総合診療という名の通り、総合診療医には様々な症例の知識や経験が必要であるからです。入局から2年目ないし3年目に、志望する専門分野に進みます。

総合診療専門医に向け、診療所での研修を予定

総合診療専門医の取得のためには、病院の研修とともに、診療所の研修が必須になっています。そのため、今後は、地域の診療所における研修を予定しています。私たちは都会にある総合診療部です。そのため、地域の状況を知る機会が少ないという問題があります。私は、総合診療医には、あらゆる状況の患者さんを診ることができるスキルが必要であると考えています。そのために、今後は、診療所で診療する機会を提供していくことを計画しています。

2.キャリアパス

お話ししたように、当教室には、自身の興味がある分野を極めることができる環境があります。これまでも、多様な希望を持つ方も受け入れ、スキルが伸びるようにサポートしてきました。

どんな背景を持つ方でもサポートする

先ほど女性が3名いるとお話ししましたが、そのうち2名はもともと放射線の専門医でした。大学卒業後に10年ほどで放射線専門医を取得しましたが、やはり内科で患者さんを診たいという希望を持ち、当教室に入局しました。2名とも子どもさんがおり、時間的な制約はありますが、立派に総合診療医として活躍してくれています。

また、開業を目指し、開業する前にいろいろな症例を経験し学びたいという希望を持ち入局した者もおります。このように、当教室は、総合診療医を志す方であれば、どんなキャリアプランにも対応し、サポートしてきました。それはこれからも変わりません。これらは一例に過ぎませんが、どんな状況の方であっても興味があれば、ぜひ一度私たち医局の門を叩いてほしいと思っています。

3.関連病院

総合診療部として病棟を持つ第三病院

以下の関連病院のうち、総合診療部として病棟を有する病院は、第三病院と葛飾葛飾医療センターです。東京都狛江市に位置する第三病院は、高齢の患者さんが非常に多い病院です。近年では、在宅医療との連携も進んでいます。高齢化が進行する社会の中で、地域包括ケアや在宅医療は今後ますます重要になっていくでしょう。実際に、第三病院で総合診療を学んだ医師のなかには、開業し在宅医療に従事している者もおります。特に、地域包括ケアや在宅診療を学びたいという方には、第三病院で経験を積むことは、貴重な学びの機会になるでしょう。

関連病院一覧

  • 第三病院
  • 葛飾医療センター
  • 柏病院

4.留学

地方の病院へ派遣する国内留学

総合診療部では、海外留学よりも国内留学を希望する者が多いかもしれません。たとえば、附属病院は新潟県魚沼医師会と連携しており、新潟県魚沼市の診療所へ初期研修医を派遣している実績があります。ここでは、1か月や2か月の期間にわたり診療所へ医師を派遣し、地域医療を学ぶ機会をつくっています。今後はさらに23区外の病院などとも連携を検討していますし、地域医療を学ぶ機会を積極的につくっていきたいと考えています。また、緩和ケアなどの専門研修を受けたい医師には、それに特化した病院に派遣しています。

医局の構成

所属医師 21名
専門医

総合内科専門医、プライマリ・ケア認定医、腎臓専門医、リウマチ専門医、糖尿病専門医、循環器専門医、肝臓専門医、消化器専門医、感染症専門医、脳神経外科専門医、東洋医学専門医、老年病専門医、緩和医療専門医、放射線専門医など

男女比

18 : 3

所属医師の
主な出身大学

東京慈恵会医科大学

同大学出身者と
他大学出身者の比率

20 : 1

当教室のメンバーは、教員や後期研修医を含め附属4病院全体で21名です。少人数ということもあり、和やかな雰囲気で、教室員同士は非常に良好な関係を築いています。教室員のなかには、総合的に患者さんを診たいという希望を持ち、若いうちから入局する者もおりますが、ある程度専門分野を極めた後に当教室に移ってきたような者もおります。医局としてはどちらも受け入れており、多様な年代・経歴・専門分野を持つメンバーが揃っている点は大きな特徴です。

女性のライフイベントにもフレキシブルに対応

当教室には3名の女性医師がおり、全員、子どもさんがいます。

女性にとって結婚や出産は大きなイベントです。ライフイベントに合わせて休暇を取得したり、勤務体系を変更したりすることもあるでしょう。私たちの教室では、女性のこのような変化にもフレキシブルに対応しています。先ほども述べたように、現在、当教室に所属している3名も時短勤務をしながら、診療や研究に力を注いでいます。そのため、女性で医学を志す方も、不安を感じることなく入局してほしいと考えています。

所属医師のインタビュー

研修生へのメッセージ

どんな背景を持つ方でも、総合診療医として幅広い経験を積んでほしい

総合診療というと、地方の医療というイメージを持たれる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、私たち都心部にある東京慈恵会医科大学総合診療内科教室には、都心部なりのノウハウや魅力があります。また、お話ししたように、今後は地域医療を学ぶ機会を積極的に提供していく予定です。このように、総合診療医として幅広い経験を積むことができる点は大きな魅力なのではないでしょうか。
また、多様なバックグラウンドを持つ当教室のメンバーは、自身が興味・関心を持つ専門分野の研究へ邁進しています。医局としてもどんな方でも受け入れ、積極的に目指すキャリアプランや研究をサポートしてきました。子育てなどによりブランクがあったとしても構いません。ここには、どんな方でも広く受け入れ、望むキャリアを支援する環境があります。総合診療医を志す方であれば、広く私たちの医局の門を叩いてほしいと考えています。

この医局の情報をインタビューさせて頂いた先生

東京慈恵会医科大学総合診療内科 教授

大野 岩男 先生

1979年に東京慈恵会医科大学を卒業後、同大学の第 2 内科に入局。国内留学・国外留学を経験しながら、内科の医師として活躍。2013年より同大学の総合診療内科の教授に就任。総合診療部の診療部長として、数多くの患者さんの相談に乗っている。