公開日 2018年12月19日 | 更新日 2018年12月19日

東京大学

皮膚科学教室

世界の皮膚科学を牽引するリーダーを目指す

東京大学医学部皮膚科学教室は「人を大切にし、人の役に立つ」という理念のもと、日々臨床と研究に励んでいます。特に研究には力を入れており、「日本および世界の皮膚科学のリーダーを育成する」という目標を掲げ、病態解明や新規の治療法の開発などを意欲的に行い、論文発表をしています。
その一方で教室員数が約130名という大きな教室であることを生かし、臨床の充実も図っています。各関連病院の患者さんに質の高い皮膚科の診療を受けていただくべく、医師派遣を積極的に行い、皮膚科医の増員を行いました。また、東京大学医学部附属病院皮膚科においても、皮膚科の価値向上を目指してさまざまな施策を行ってきました。
皮膚科学を牽引するリーダーを目指し、臨床であっても、研究であっても一流の皮膚科医を目指す方の入局を心待ちにしています。

医局情報

診療科 皮膚科
専門分野 皮膚科学
症例・
手術数
膠原病患者:1000人以上
関連病院

Map hospital当院

Map related hospital関連病院

専門分野

私の専門である強皮症はもちろんのこと、皮膚リンパ腫、アトピー性皮膚炎、乾癬などを中心にあらゆる皮膚疾患を扱っています。特に強皮症と皮膚リンパ腫の患者さんに向けては、オンライン相談を実施しています。

研究については、講師以上の教室員がリーダーとなって各研究グループを形成し、研究テーマの決定や研究の指導を行っています。

多数の研究プロジェクトがあるため、短期間で成果をあげることが可能です。また、教室専用の動物実験施設やフローサイトメーターなどの実験装置や器具なども充実しています。

主な研究内容

  • 強皮症の臨床研究・基礎研究
  • 自己抗体の研究
  • B細胞と自己免疫に関する研究
  • 細胞接着分子、ケモカインによる炎症機序の研究
  • アトピー性皮膚炎の免疫学的異常およびバリア異常の研究
  • 悪性黒色腫の増殖・転移メカニズムの研究
  • 線維化メカニズムの研究
  • 乾癬の発症メカニズムの研究
  • 悪性リンパ腫に関する研究
  • 皮膚疾患と自然免疫の研究 など

最先端の研究

基礎研究では、浅野准教授が新しい強皮症のモデルマウスを作成し、病態の解明や新規の治療法の開発を行っています。基礎研究の成果に基づいて、数多くの自主臨床試験や治験を行っています。特に、B細胞を除去するリツキシマブについては、医師主導の第2相治験を開始しています。また、強皮症におけるT細胞由来のサイトカインIL-17については、第1相試験を終了し、第3相治験を開始する予定です。

米国科学アカデミーの正式機関紙「Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America」、「Nature Communications」、「Journal of Experimental Medicine」への論文掲載など、有名雑誌への掲載実績もあります。

教育体制・キャリアパス(専門医及び学位の取得)

1.研修の流れ

研究のスペシャリストや、臨床のスペシャリストにもなれる

当教室は、多様性を重視していますので、研究と臨床両方やりたい方、臨床をしっかりやりたい方など、どんな方でも十分な教育・研修が受けられる点が特徴です。研究と臨床をしっかりやりたい方には、学位の取得と留学を推奨しています。一方、臨床をメインでやりたいという方も歓迎しています。そのため、①研究と臨床をしっかりと行いたい方に向けた研修 ②臨床を磨きたい方のための研修 の大きくふたつにわけての研修を行っています。

研究と臨床をしっかりと行いたい方に向けた研修

出典:教室紹介資料より

臨床と研究を並行して行う場合は、専門医取得後に大学院へ入学する方法と、初期研修後大学院に進学し、大学院での研究と同時に皮膚科専門医を取得する方法にわけられます。しかし前者では時間がかかってしまうなどの理由から、後者のシステムを採用して、臨床の能力を養いながら研究にも励んでいただく、というかたちをとっています。このシステムでは、卒後7年で学位の取得、専門医の取得が可能です。しかし、本来は11年間かかる内容を7年間に短縮して学ぶため、本人の熱意と努力が両立の鍵となります。

また後者のシステムでは、大学院入学前に、1年間は皮膚科の診療トレーニングを受けることを原則とします。

2.臨床力を磨きたい方のための研修

臨床の腕を磨きたい方には、入局から5年後に専門医取得を目標にトレーニングを行います。大学では膠原病や皮膚腫瘍などの難治性の疾患について学びます。大学の研修と並行し、関連病院で皮膚科のcommon diseaseの研修も積極的に行い、臨床力をつけることで、一般的な皮膚疾患から難治性の疾患まで、効率的に診療できるようになります。

カンファレンスも充実しており、毎週火曜日にすべてのカンファレンスを集中させ、診療の妨げにならないように配慮しています。

外科的な治療に関しては、5年目くらいまでには簡単な植皮などはできるようになっています。

3.キャリアパス

希望に沿ったキャリアが開ける!教授輩出実績も多数

研究をしっかりと行いたい方の場合は、大学に残って研究を続ける道があります。当教室は多数の教授輩出実績がありますから、教授職を目指すことも十分可能です。

臨床に力を入れたい方だと、次章にあげる関連病院で臨床を専門に行い、関連病院での部長職に就く、開業するなどの道があります。

4.関連病院

都内とその近郊の有名病院に集中。プライベートを大切にしながら働くことが可能

当教室の関連病院はいずれも都内とその近郊に位置し、大部分は転居を伴うことなく勤務できる点が特徴です。そのため、プライベートも考慮しながら関連病院で働くことができます。

いずれの病院も実力のある病院ばかりのため、各病院の優れた指導医のもと、実践的な臨床を学ぶことができます。

  • 三井記念病院(千代田区)
  • 虎の門病院(港区)
  • 国立国際医療研究センター(新宿区)
  • NTT 東日本関東病院(品川区)
  • 東京逓信病院(千代田区)
  • JCHO 東京山手メディカルセンター(新宿区)
  • 東京警察病院(中野区)
  • 日本赤十字社医療センター(渋谷区)
  • 関東中央病院(世田谷区)
  • JCHO 東京新宿メディカルセンター(新宿区)
  • 三楽病院(千代田区)
  • JR 東京総合病院(渋谷区)
  • 国際医療福祉大学三田病院(港区)
  • 同愛記念病院(墨田区)
  • 河北総合病院(杉並区)
  • がん・感染症センター 都立駒込病院(文京区)
  • 東芝病院(品川区)
  • 東都文京病院(文京区)
  • 公立昭和病院(小平市)
  • 山王病院(港区)
  • 国立病院機構 相模原病院(相模原市)
  • 関東労災病院(川崎市)
  • 埼玉県立小児医療センター(さいたま市)

5.留学

当教室では留学を推奨しています。多くは大学院卒業後に2〜3年程度、留学します。留学先は自身で決めることもあれば、私やグループリーダーなどが斡旋することもあります。過去の留学先は以下のとおりです。

  • デューク大学
  • ラ・ホーヤアレルギー免疫研究所
  • ボストン大学
  • エール大学
  • ハーバード大学
  • カリフォルニア大学サンフランシスコ校など

医局の構成

所属医師 約130名
専門医

50名

男女比

2:3

所属医師の
主な出身大学

愛知医科大学、関西医科大学、北里大学、群馬大学、佐賀大学、産業医科大学、昭和大学、信州大学、筑波大学、東京医科歯科大学、東京慈恵会医科大学、東京女子医科大、東北大学、徳島大学、富山大学、長崎大学、奈良県立医科大学、新潟大学、日本医科大学、浜松医科大学、藤田保健衛生大学、福島県立医科大学、北海道大学、宮崎大学、山梨大学、琉球大学 など

同大学出身者と
他大学出身者の比率

東京大学:他大学=1:2

東大だからといって入りにくいことはなく他大学出身者も多数在籍する大教室

先に述べたとおり、当教室は約130名の教室員が所属する大きな教室です。出身大学は東京大学出身者も他大学出身者も偏りなくおり、他大学では以下の大学出身者が在籍しています。

  • 愛知医科大学
  • 関西医科大学
  • 北里大学
  • 群馬大学
  • 佐賀大学
  • 産業医科大学
  • 昭和大学
  • 信州大学
  • 筑波大学
  • 東京医科歯科大学
  • 東京慈恵会医科大学
  • 東京女子医科大
  • 東北大学
  • 徳島大学
  • 富山大学
  • 長崎大学
  • 奈良県立医科大学
  • 新潟大学
  • 日本医科大学
  • 浜松医科大学
  • 藤田保健衛生大学
  • 福島県立医科大学
  • 北海道大学
  • 宮崎大学
  • 山梨大学
  • 琉球大学 など

入局のための試験では、出身大学などは一切問いません。

また、他の教室と比べても教室員に対するスタッフの割合が高く、丁寧な指導が受けられる点も特徴です。

女性医師へのキャリアサポートは万全

比較的女性が多い教室であり、私自身医学系研究科の男女共同参画委員会の委員長を務めていることから、女性のライフイベントの変化などに伴うキャリアのサポート体制も万全です。原則、当教室としては男女の区別なく働けるよう環境を整えていますが、いまだに女性は結婚・妊娠・出産・育児などにより、男性とまったく同じ働き方を続けることが難しい場合も少なくありません。そのため、女性医師のなかには「自身の医師のキャリアが途切れるのが心配」との声が聞かれることもあります。

しかし当教室の女性医師は出産や育児でいったん休職しても、その後復帰した方も多くいますし、小さなお子さんがいる女性医師の当直を免除したり、半日の再診を数コマ担当するといったかたちでの時短勤務制度を取り入れたりしています。このように女性が働きやすい環境を整えています。他にも希望があれば外勤や専門外来、回診、カンファレンスへの参加、手術や研究なども自由に行えます。

実際に東京大学ではお子さんをお持ちの女子医師が大学でフレキシブルに働ける「病院診療医」というポストが設置されています。病院診療医とは、お子さんが小学校3年生までのあいだ、週24時間以内で勤務できるポストです。最長5年までの更新が可能です。実際に、何名もの女性医師がこのポストを利用しています。

はじめは上記のような時短勤務制度の利用などで段階を踏みながら、プライベートが落ち着いたらフルタイム勤務に復帰するといったように、今まで築き上げてきたキャリアが途切れないよう配慮しています。女性医師がたとえ週2〜3日でも働いてくれることは、私たちにとっても非常にありがたいことですから、できる限りのサポートを行います。

また、皮膚科内に休憩室も男女別で設けていることもほかにはない特徴です。

所属医師のインタビュー

研修生へのメッセージ

当教室のメンバーは、バックグラウンドも個性も多様です。ただひとつ、共通していることは皆、皮膚科学に対する熱意があり、一流の皮膚科医を目指している点です。東京大学の伝統は、研究だけでなく臨床もしっかりとできるところにあります。キャリアパスも多彩で、努力さえすれば自ずと道は開けることでしょう。
私たちは、研究においても臨床においても、リーダーを目指す人を歓迎します。たとえば第一線で研究成果をあげる皮膚科学の研究者や、その地域を牽引する皮膚科医など、どのようなリーダーでも構いません。当教室に入局するからには、ぜひ自身の目指す道で一番になってほしいと考えています。皮膚科学に対し熱意をお持ちの医師の方は、当教室の門をぜひ叩いてみませんか。

この医局の情報をインタビューさせて頂いた先生

東京大学 医学系研究科皮膚科学 教授、 東京大学医学部附属病院 副院長

佐藤 伸一 先生

膠原病、特に強皮症を専門とし、日本各地から患者が集まっている。強皮症の病因としてB細胞機能異常に注目し、B細胞を軸として、強皮症に対する新規治療法の開発にも力を入れている。