

公開日 2026年01月26日 | 更新日 2026年01月26日
東京慈恵会医科大学

東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科では「病気を診ずして、病人を診よ」という建学の精神のもと、臓器だけを見るのではなく、一人の人間として患者さんに向き合う診療を実践しています。
特長は“消化器全領域主義”と呼ばれる教育方針で、どのグループに所属していても、例えば内視鏡の検査・治療技術などを共通して学べる点です。専門班を越えて実力を高められる環境も整っており、総合力と専門性の双方を養うことができます。
| 診療科 | 消化器内科 |
|---|---|
| 専門分野 | IBD(炎症性腸疾患)を中心とした消化管疾患、肝疾患、胆膵疾患、各種消化器腫瘍など(※当研究室は消化管内科、肝臓内科、胆膵内科、腫瘍内科の各専門分野で構成されています) |
| 症例・ 手術数 |
詳細は下記をご覧ください。 |
*内視鏡部の症例数を含む
参照:https://www.hosp.jikei.ac.jp/diagnosis/department/102.html
当研究室は、消化管、肝臓、胆膵、腫瘍の4つの専門班に分かれ、それぞれが高い専門性を有しつつ、互いに協力しながら診療を行っています。特にIBD(炎症性腸疾患)に関しては、外来患者数は約4,000人にのぼり、全国的にも有数の診療体制を構築しています。
消化管グループの特長
IBDを中心とした炎症性の腸管障害、機能性消化管障害、早期の消化管腫瘍など、幅広い領域をカバーしています。上下部消化管内視鏡検査だけでなく、選択的小腸造影検査、カプセル内視鏡検査、バルーン小腸内視鏡検査など、消化管に関わる全ての検査・治療が可能です。
肝臓グループの特長
B型・C型肝炎、原発性胆汁性胆管炎や自己免疫性肝炎、代謝異常関連脂肪性肝疾患(MASLD)などに対応し、超音波検査診断のスキルや肝臓の穿刺技術の習得だけでなく、ラジオ波焼灼術(RFA)などの治療手技も実践的に学ぶことができます。
胆膵グループの特長
胆道結石や各種膵炎、膵癌、胆道癌などに対する、EUSを用いた詳細な検査に加え、ERCPや穿刺、ドレナージをはじめとする高度な内視鏡検査や治療を実践しており、その技術習得も可能です。
腫瘍グループの特長
消化器がんに対する化学療法を中心に、他科との連携を重視した治療を展開しています。がん専門病院での研修の機会もあり、がん診療の最前線を経験・習得することが可能です。
*いずれのグループでも、慢性疾患との向き合い方を身につけることで、患者さんと長く関わる姿勢も自然と養われます。また、各種の合併症を有する難症例に対応する中で、技術だけでなくチーム医療の重要性も学べます。さらに、医療連携体制の構築や長期的なフォローアップも含めた全人的な診療の習得できる点も魅力です。
初期研修では、内科医としての基礎的な診療スキルをしっかりと身につけ、後期研修では消化管・肝臓・胆膵・腫瘍の4つの班をローテーションしながら、各分野を体系的かつ実践的に学びます。臓器別に分かれた専門グループで診療を行いながらも、患者さんを“人”として診る姿勢を大切にする教育がなされており、どの疾患にも対応できる総合力が自然と養われます。
特に重点をおいている研修が「内視鏡集中研修」です。病棟業務を離れ、4か月間まるごと内視鏡検査・治療に専念することができ、上部・下部内視鏡検査の基本操作からポリペクトミー、止血処置、さらには各種治療手技に至るまで、実践的な技術を集中的に習得する機会が用意されています。これは、日々の診療活動に忙殺されて経験が偏ることを防ぎ、技術習得に適切なタイミングで指導を受けられる、貴重な機会となっています。
研修修了後の進路については、とても多様性に富んでいます。引き続き、大学病院に残って診療や教育・研究を続けることも、関連病院で専門性を深めることも、さらには開業を見据えて研鑽を積むことも可能です。さらに、大学院に進学して基礎研究や臨床研究にじっくり取り組んだり、アメリカをはじめとした海外への留学も積極的に推奨されているので、自らの興味関心やライフステージに応じて、自分のペースでキャリアを積み上げることができます。
いったん休職や退職、あるいは別医療機関で経験を積んだ後に、「再入局制度」を利用して戻ってくることも可能です。ライフイベントに応じて柔軟にキャリアを相談・調整できるのも、当研究室の大きな魅力です。
専門医の取得はもちろん、指導医や学位の取得、医局外活動への挑戦など、一人ひとりが目指したい将来像を実現できるよう、医局全体が前向きにサポートする風土が根付いています。
当研究室では、臨床の延長線上に研究テーマがあると考えており、自然と関心が持てるような環境が整っています。特に本院では、日々の診療から得られる知見をそのまま研究テーマにつなげることができ、大学院での研究や国際学会での発表なども積極的に推奨しています。
また、研究に対しての支援制度も充実させており、研究費の補助や大学から留学時の金銭的サポートがあるだけでなく、上級医による研究テーマ設計などのサポート体制を整え、やりたいと思ったらすぐ動ける恵まれた環境となっています。
何より、研究が“義務”ではなく“希望”として自然に始められることが、当研究室の強みです。「一度臨床に集中した後で、落ち着いてから研究したくなった」「子育てがひと段落してから大学院に進学した」といった、それぞれのタイミングやライフイベントが尊重される雰囲気が醸成されています。
1) Miyazaki R, Ohashi Y, Sakurai T, et al. First verification of human small intestinal uric acid secretion and effect of ABCG2 polymorphisms. J Transl Med 2025; 23(1): 257.
2) Koido S, Taguchi J, Shimabuku M,et al. Dendritic cells pulsed with multifunctional Wilms' tumor 1 (WT1) peptides combined with multiagent chemotherapy modulate the tumor microenvironment and enable conversion surgery in pancreatic cancer. J Immunother Cancer 2024; 12(10): e009765.
3) Ando Y, Sakurai T, Saruta M. Successful diagnosis of small gastrointestinal stromal tumor using modified mucosal incision-assisted biopsy with a cold snare. Dig Endosc 2025; 37(3): 308-10.
4)丹羽 剛志、佐伯 千恵子、斉藤 正之、他. 肝硬変患者の虚弱性と骨折頻度が長期予後に及ぼす影響:後ろ向き研究. Sci Rep 2025; 15(1): 186.
5)田村雄三、佐伯千恵、金井毅、他. 慢性肝疾患患者における低骨格筋量およびサルコペニアの診断における二重エネルギーX線吸収測定法と生体電気インピーダンス法の能力比較. J Gastroenterol Hepatol 2025; 40(1): 274-81.
【最新の論文・注記は、以下の注ページをご参照ください】
| 所属医師 | 115名(主任教授:1名、教授:1名、准教授:5名、講師:6名、助教:55名(休職9名含む)、専攻医:23名(派遣中5名含む)、大学院:4名、関連施設派遣医師:20名)(※出向者・レジデント含む) |
|---|---|
| 専門医 | ・日本内科学会:内科専門医(認定内科医)、総合内科専門医、内科指導医
|
| 男女比 | 全体(レジデント・大学院・休職中含む):男性74名、女性41名(うち、レジデント1~3年目:男性13名、女性10名) |
| 所属医師の 主な出身大学 |
東京慈恵医科大学:67名、日本大学:7名、聖マリアンナ医科大学:6名、 東京医科大学:3名、 北里大学:3名、 埼玉医科大学:2名 、埼玉医科大学:2名 、筑波大学:2名、 旭川医科大学:1名、秋田大学:1名、福島県立医科大学:1名 、新潟大学:1名、 金沢大学:1名、 群馬大学:1名、 帝京大学:1名、杏林大学:1名、東海大学:1名、横浜市立大学:1名、 山梨大学:1名、 愛知医科大学:1名、関西医科大学:1名、香川大学:1名、 久留米大学:1名、福岡大学:1名、藤田医科大学:1名 |
| 同大学出身者と 他大学出身者の比率 |
全体(レジデント、大学院、休職中含む)慈恵:他学=約6:4(慈恵67名、他学48名)・レジデント1~3年目:慈恵:他学=約6:4(慈恵13名、他学10名) |
当研究室には、年次や専門に関係なく意見を言い合える、風通しの良い雰囲気があります。
猿田教授ご自身も「一局員として若手と一緒に学びたい」と語られており、若手であっても積極的にアイデアを発信できる機会が多く、上級医からも真摯に耳を傾けてもらえる文化が根付いています。症例検討や勉強会の場でも、質問や意見が自然と交わされ、時に学び合う関係を構築しやすい環境です。
各専門班に医師がバランスよく配置されているので、多角的な視点で診療にあたる体制が構築されています。専門性の違いを活かして互いに補完し合いながら、患者さんにとって最善の医療を届けることを常に意識しています。
また、医師一人ひとりの目指す姿やペースは異なっていても、ここには、誰もが自然体で、そして安心して成長できる雰囲気が作られています。黙々と研鑽を積む医師もいれば、チームで議論を交わしながら臨床に向き合う医師もいる。そんな多様性が尊重される場だからこそ、自分らしいキャリアを築くことができるのです。
この医局の情報をインタビューさせて頂いた先生
東京慈恵会医科大学 内科学講座 消化器・肝臓内科 主任教授
猿田 雅之 先生
東京慈恵会医科大学医学部および大学院博士課程を卒業する。その後アメリカへの留学などを経て当時最年少の43歳で、東京慈恵会医科大学内科学講座消化器・肝臓内科の主任教授となる。臨床と研究の両立をしながら、日々患者さんのために全力を尽くしている。