



公開日 2025年05月16日 | 更新日 2025年05月16日
帝京大学
当研究室は「帝京大学医学部内科学講座消化器グループ」に属しており、その中の消化管診療を行っている部門です。
消化管領域については、内視鏡を駆使した低侵襲治療を中心に、消化管がんの早期診断と治療、および炎症性腸疾患や機能性消化管疾患など、幅広い疾患の診療を行っています。 また、年間10,000件以上の内視鏡検査や200件以上のESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)を実施しており、多くの症例に触れながら最先端の内視鏡診療を学ぶことができます。ほかにも注力しているのが、大学病院での高度医療の提供と地域医療との密接な連携を両立することと、実践力のある消化器内科の専門医を育成することです。診療・教育・研究の全てを実践できる環境が整っており、学んだ技術を臨床現場での診断や治療に生かすことができます。
診療科 | 消化器内科 |
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専門分野 | 消化器内科学 |
症例・ 手術数 |
上部消化管内視鏡:4,427件/大腸内視鏡:2,849件/大腸EMR:483件/ESD:206件(2024年) |
初期研修では、消化器疾患の診療と内視鏡トレーニングを中心に実践的なスキルを習得します。3〜7年目にかけては、ほかの医療機関へ派遣される機会もあり、異なる環境での経験を積むことでさらに専門性を深めることができます。その後、8年目以降に専門医の資格取得となります。
専門医資格を取得した後のキャリアパスは、主に4つです。1つ目は大学病院での診療・研究を継続しながら、臨床や教育に携わること。2つ目は関連病院に勤務し、地域医療に貢献しながら診療経験を積むことも可能です。さらに、3つ目には開業医として独立、4つ目には研究分野へ進むことで国内外の学会での発表や論文執筆に取り組み、消化器内科の発展に貢献するという選択肢もあります。
当研究室では、最先端の内視鏡機器を活用した診療と研究が活発に行われています。特に、消化管がん治療や内視鏡技術の向上に関する研究を推進しており、新たな治療法の開発にも取り組んでいます。さらに、定期的な学会発表や論文執筆の機会が設けられているため、研究を通じて専門知識を深められる環境もしっかり整っています。
現在取り組んでいる研究のご紹介
・消化管出血における抗血栓薬の影響についての臨床的検討
・内視鏡治療における血栓症のリスクについての臨床的検討
・内視鏡画像強調の診断における有用性についての基礎的・臨床的検討
・心房細動患者における便秘症の影響についての臨床的検討
・拡張現実を用いた消化管教育の試み
・Risk Factors for Elevated D-Dimer Levels in Patients with Gastrointestinal Tumors Treated with Endoscopic Submucosal Dissection.
Komatsuda S, Kodashima S, Ikusaka K, Aoki N, Shimizu Y, Oda M, Harada F, Honda T, Komazaki S, Sakurai M, Yanagisawa D, Maruyama K, Aoyagi H, Isono A, Miura R, Abe K, Arizumi T, Asaoka Y, Yamamoto T, Tanaka A.
J Clin Med. 2023 Aug 11;12(16):5229. doi: 10.3390/jcm12165229.
・Prophylactic effect of compression stockings for elevated D-dimer levels following endoscopic submucosal dissection.
Harada F, Kodashima S, Ikusaka K, Aoki N, Shimizu Y, Honda T, Sakurai M, Maruyama K, Aoyagi H, Isono A, Miura R, Abe K, Arizumi T, Asaoka Y, Yamamoto T, Tanaka A.
DEN Open. 2024 Jul 15;5(1):e405. doi: 10.1002/deo2.405. eCollection 2025 Apr.
・Clinical Factors Associated with Severity of Colonic Diverticular Bleeding and Impact of Bleeding Site.
Amano H, Yamamoto T, Ikusaka K, Aoki N, Sakurai M, Honda T, Maruyama K, Aoyagi H, Isono A, Abe K, Asaoka Y, Kodashima S, Tanaka A.
J Clin Med. 2023 Feb 24;12(5):1826. doi: 10.3390/jcm12051826.
・Characteristics of Gastrointestinal Bleeding While Taking Direct Oral Anticoagulants in Patients with Nonvalvular Atrial Fibrillation and Differences Among Drugs-A Single-Center Retrospective Cohort Study.
Aoki N, Abe K, Tokutomi H, Kajita K, Sone M, Honda T, Aoyagi H, Isono A, Konno K, Kozuma K, Arizumi T, Asaoka Y, Kodashima S, Yamamoto T, Tanaka A.
J Clin Med. 2024 Dec 27;14(1):95. doi: 10.3390/jcm14010095.
所属医師 | 21名 |
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専門医 | ・日本内科学会
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男女比 | 男性医師14名、女性医師7名(2:1) |
所属医師の 主な出身大学 |
帝京大学 13名 /聖マリアンナ医科大学 2名/東京科学大学(旧・東京医科歯科大学) 1名/北海道大学 1名/岩手医科大学 1名 /東海大学 1名 /埼玉医科大学 1名 /金沢医科大学 1名 |
同大学出身者と 他大学出身者の比率 |
13:8 |
消化器グループでは、消化管疾患の診療および内視鏡治療において、患者さん一人ひとりに最適な検査や診断・治療を提供できるよう互いに学び合っています。また、若手医師がベテラン医師に気軽に相談できるフランクな雰囲気があり、医局員がそれぞれの持ち味を生かしながら安心して学び、チームに貢献できる環境が整っています。
これは出身大学を問わず、多彩なバックグラウンドを持つ医師が集まっている当研究室ならではの特長といえるでしょう。医師同士が助け合いながら診療に向き合っていくので、あたたかく協力的な雰囲気の中で成長を続けることができます。
この医局の情報をインタビューさせて頂いた先生
帝京大学医学部内科学講座 教授(消化器グループ)
小田島 慎也 先生
消化管内視鏡診療を専門としており、特に内視鏡治療技術の向上や消化管がん治療の研究実績を持つ。現在は若手医師の指導を担当しながら、消化器内科の運営にも積極的に関わり、教育・診療・研究のすべての面において貢献を続けている。