公開日 2018年12月05日 | 更新日 2018年12月05日
昭和大学産婦人科学講座
130名が在籍する大規模な医局
昭和大学医学部産婦人科学講座は、130名の教室員が在籍し、都内でも比較的大きな規模の産婦人科医局です。
4つの大学附属病院と10を超える関連病院において産婦人科専門医やスブスペシャリティ領域の教育・研修が行われています。正常分娩はもちろん、異常分娩や、婦人科悪性腫瘍手術、内視鏡手術など経験することができます。複数の施設で豊富な症例数を経験することによって産婦人科医としての基本を身につけます。また、産婦人科専門医取得後の各分野のサブスペシャリティの専門医取得も目指せます。多くの教室員が所属する医局ならではの一貫した教育体制により、自身の学びたいことを学べる環境が整っています。
医局情報
診療科 | 産婦人科 |
---|---|
専門分野 | 産婦人科学 |
症例・ 手術数 |
分娩数は3,500件、手術数は3,000件、腹腔鏡手術1,000件、体外受精数は年間300サイクルを実施、悪性腫瘍手術は年間400件実施 |
関連病院 |
当院 関連病院 |
専門分野
産婦人科の全領域に力を入れた診療
昭和大学といえば周産期のイメージが根強いですが、それ以外にも悪性腫瘍、良性腫瘍、生殖内分泌(不妊)、女性医学など、産婦人科における全領域に力を入れて日々診療を行っています。
もちろん、周産期領域では昭和大学は東京都の中核です。東京都指定の母体救命対応型総合周産期センター(スーパー総合周産期センター)として、救命科、麻酔科などとも密な連携をとり、東京都における中核センターとして母体救急を担っています。
一方、婦人科分野では、2016年からはダビンチを用いたロボット支援下広汎子宮全摘術をはじめました。2018年9月には先進医療としての指定を受けています。さらに、子宮体癌や良性婦人科腫瘍でも保険診療としてロボット支援下手術を行っています。今後はこの手術でトップの症例数を誇る施設を目指します。
ほかにも遺伝性乳がん・卵巣がん症候群(HBOC)の遺伝子検査実施数では国内有数の実績を有しています。その結果BRCA1、2の陽性が出た患者さんに対するフォローの実績も豊富です。予防的卵巣卵管切除術の手術数も国内で最も多くなっています。
多岐の分野にわたる研究
母体血中DNAを使用した胎児遺伝性疾患の出生前診断(Lancet, 2000)や超音波装置を用いた胎児治療(Ultrasound Obstet Gynecol, 2013)を世界で初めて行い、世界的に注目されています。これら出生前診断・胎児治療の領域にとどまらず、産婦人科の全領域においてさまざまな研究を行っています。教室員が自由に、自分の興味のある分野の臨床研究・基礎研究に活発に取り組んでいます。
研究を行うには一定の基礎が必要ですが、基礎を固めたうえで、個々人の専門分野を活かして自由に研究してもらいたいと考えています。そうした各分野のスペシャリストが集結すれば、医局の総合力は向上すると信じているからです。ですから、こちらで研究内容を指定したり、制限を設けたりすることはありません。各々が自身の専門分野を磨くための研究環境も充実しています。
医局の実績
他局と比べて圧倒的な症例数
4つの大学附属病院はいずれも周産期センターに指定され、分娩数は3,500件、手術数は3,000件、腹腔鏡手術1,000件と症例数は非常に豊富です。体外受精数は年間300サイクルを実施、悪性腫瘍手術においては年間400件実施しています。
周産期分野を得意とする
周知のことではありますが、昭和大学医学部産婦人科学講座は特に周産期分野を得意とする医局で、附属の4病院すべてが周産期センターに指定されています。また前教授の岡井崇先生が胎児超音波診断の先駆者だったことから、国内の周産期センターの中でも胎児形態異常診断の精度においては非常に高いという自負があります。さらに、東京都からいわゆるスーパー周産期センターに指定されており、産科救急症例も豊富です。加えて、日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)の母体救命の教育のためのアドバンスコースは救急医学科と協働で作成したものであり、この分野においても国内をリードすべく注力しています。
多くのシンポジストを輩出
日本産科婦人科学会のメインシンポジウムに、2002年からの14年間で8名ものシンポジストを輩出しています。この実績が示すことは、当医局で最先端の研究が行われ、それが全国的に認められているということです。テーマは毎年変わるにもかかわらずこれだけのシンポジストを輩出できるのは、各分野で専門性を持った優れた教室員がいる証であると考えます。
有名なジャーナルにも論文を多数発表
診療に追われて論文が書けない、ということはありません。将来アカデミアの道に進みたい医師が中心となり、英語論文だけでも平均して年間20〜40本程度を継続的に発表しています。
産婦人科領域で有名なジャーナルでは、『Lancet』や『American Journal of Obstetrics and Gynecology』,『BJOG』,「Clin Chem」,「Ultrasound Obstet Gynecol」などの一流誌に論文が掲載されています。
教育体制・キャリアパス(専門医及び学位の取得)
1.研修の流れ・キャリアパス
(出典:昭和大学医学部産婦人科学講座HP)
当医局の研修プログラムやキャリアパスは上記のとおりです。6年目の産婦人科専門医取得を標準とし(初期研修終了後3年間の専門医研修を行い、6年目の夏に専門医試験があります)、日々目標に向けて努力しています。豊富な実績を持つ当医局であれば、確実にに6年目で産婦人科専門医を取得できます。実際、多くの教室員が6年目で産婦人専門医を取得しています。
産婦人科専門医を取得した後はサブスペシャリティーの取得を目指します。たとえば腫瘍専門に進むと、6年目には広汎子宮全摘術という婦人科腫瘍の大きな手術の執刀ができるようになります。その後は自身の専門に応じて大学病院や関連病院で経験を積みます。
当局では専攻医の段階でも積極的に手術を任せています。やはり実践がなければ技術は身につきません。専攻医はほとんどの帝王切開分娩を行い、婦人科領域では子宮全摘術も行います。
このように、比較的早い段階で難しい手術も任せてもらえるようになる点も、昭和大学医学部産婦人科学講座の特徴です。経験を積んでいち早く一人前の産婦人科医を目指す方にとっては、魅力的なキャリアパスではないでしょうか。
また、教室員が多いため、自身の目標となる先輩教室員をみつけやすい点も当教室の強みです。「ロールモデルがない」と迷うことはほとんどないといえます。
昭和大学医学部産婦人科学講座でサブスペシャリティーを目指す!
当医局には初期研修を終えた医師の入局が多いですが、産婦人科専門医をすでに取得済みの医師の入局も増えてきています。そのため、各分野のサブスペシャリティーの取得に向けた教育も行います。ある程度産婦人科という業界を知っている方に当医局を選んでいただいていることは、非常に誇らしいことです。
そのほか、「産婦人科医になりたい」という意欲を持って他科からやってくる医師もいます。過去には脳外科医や整形外科医が入局しています。必ずしも産婦人科領域にとらわれない、幅広いバックグラウンドを持つ医師を受け入れる。こうすることで医局の多様性が広がり、医局員全体で今まで気づくことのできなかった知見を得ることができます。この多様性も、昭和大学医学部産婦人科学講座の特徴です。
2.留学先
豊富な留学実績
学位取得後にpostdoctoral fellowとして留学できます。また、昭和大学では2年間の留学制度があり、その間の基本給が支給されるため、留学しやすい環境にあるといえます。
国内外の留学も盛んに行われており、幅広いキャリアパスが期待できます。教室員が多いという特徴から、人が足りなくて留学に行けないということはありません。主な留学先は以下のとおりです。
<これまでの主な留学先>
- Tufts-New England Medical Center, Tufts University. Division of Genetics、Boston, MA
- The Eunice Kennedy Shriver National Institute of Child Health and Human Development (NICHD), Bethesda, Maryland
- The Harris Birthright Research Centre for Fetal Medicine, King's College Hospital, UK
- University of Bologna, department of Ob/Gyn, Bologna, Italy
- University of California, San Diego, Department of Medicine Cancer Center, San Diego, CA
- University of California, Davis, Department of Nutrition and Iinternal Medicine, CA
- University of New Mexico, Depart of Ob/Gyn, Albuquerque, NM
- MD Anderson Cancer Center, Texas, USA
- University of Cambridge, Depart of Ob/Gyn, Cambridge, UK
- Bourn Hall clinic, Cambridge, UK
- Buffalo医科学研究所 生化学・内分泌分野、NY
- Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health‘s Master of Public Health
- Washington Hospital (ワシントンDC;現在産婦人科専門医研修中)
- City University of New York, College of Staten Island
- 国立成育医療研究センター研究所
- 国立がんセンター研究所
- 国立感染症研究所
3.関連病院
豊富な関連病院でさまざまな症例をみることが可能
- 昭和大学病院
- 昭和大学藤が丘病院
- 昭和大学横浜市北部病院
- 昭和大学豊洲クリニック
- 母子愛育会愛育病院
- 都立荏原病院
- NTT東日本関東病院
- 牧田総合病院
- 国立成育医療研究センター
- 癌研究会有明病院
- 埼玉県立がんセンター
- 水戸赤十字病院
- 慶愛病院
- 千葉西総合病院
- 沖縄県立北部病院 など
医局の構成
所属医師 | 127名 (男性69名 女性58名) |
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専門医 | 産婦人科専門医、周産期専門医、婦人科腫瘍専門医、生殖内分泌専門医、超音波専門医、臨床遺伝専門医、女性ヘルスケア専門医、内分泌専門医、婦人科内視鏡技術認定医など多数 |
男女比 | 1 :1 (10年目以下の世代では2:3) |
所属医師の 主な出身大学 |
昭和大学(約40%)、その他、群馬大学、筑波大、東京女子医大、東海大学、埼玉医大、日大、北里大、秋田大、福島県立医大、新潟大、金沢大、千葉大、香川大、宮崎大、東京医大、日医大など |
同大学出身者と 他大学出身者の比率 |
昭和大学卒が約40% |
女性が多数活躍。全国から集う仲間と研鑽しあう 昭和大学医学部産婦人科学講座は、毎年平均して8から10名程度が新たに入局しています。男女比は4:6と女性が多く、女性が働きやすい環境づくりも万全です。
昭和大学出身者は全体の40%と少なく、公立・私立問わずに全国から意欲のある医師が、出身大学の垣根を超えて日々臨床・研究に励んでいます。また、大学院を併設しているため大学院進学者も多くいます。
研修生へのメッセージ
この医局の情報をインタビューさせて頂いた先生
昭和大学医学部 産婦人科学講座 教授
関沢 明彦 先生