





公開日 2018年12月06日 | 更新日 2018年12月06日
聖マリアンナ医科大学
当教室は腎臓のスペシャリストを養成すべく、幅広い腎臓領域の疾患を取り扱っています。
たとえば疾患については、腎炎・慢性腎臓病などの一般的な腎臓病はもちろん、体液電解質異常や腎不全、血液浄化療法も「専門」にしています。
診療科 | 腎臓内科 |
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専門分野 | 腎臓・高血圧内科 |
症例・ 手術数 |
腎正検164件、維持浄化療法導入件数77件、在宅血液透析3件、体外循環式血液浄化療法6042件、腎移植12件、血液浄化関連手術475件 |
関連病院 |
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患者さんのステージも初期から末期まで幅広くケアしており、なるべく多くの選択肢を提供できるように努めています。たとえば末期腎不全の患者さんに対しては、一般的な血液透析だけでなく、腹膜透析や腎移植、在宅血液透析など、患者さんのライフスタイルにフィットした選択肢を幅広く提供できるように努めています。
腎臓疾患の治療には、腎移植・透析用のシャント形成・腹膜透析用のカテーテル設置など外科的な処置が求められることも多いですが、他科との連携を厚くすると同時に、腎臓内科内でも極力完結できるようにしています。
また、高血圧も腎臓病の1つとして捉えており、高血圧を深く学ぶことで、腎臓領域への見識を深めるようにしています。高血圧領域の一部である内分泌高血圧については、当院の内分泌代謝内科と協力しより詳細な検討を行うこともあります。
当教室では基本的には入局から3年を一区切りとして考え、3年間の研修制度を用意しています。大学病院における充実した教育と、外部の病院での臨床経験をもって、一人前の医師の育成を行います。
まずは最も先輩医師による指導や教育が整備された大学病院にて知識や経験を積みます。大学病院は、さまざまな疾患を抱える患者さんが多く受診するため、幅広い疾患の診療を経験できます。また、当教室の先輩医師はみな面倒見がよく、細やかな指導を受けられます。
大学病院で多くの知識と経験を積んだ後は、外部の病院でその知識・経験を生かした臨床を行います。外部の病院は大学病院と違い、現場での実践がメインとなりますので、1人で任される仕事が多くなります。そのため自分一人で決断しなければならないことも多く、医師として大きな成長につながることが期待できます。
基本的に全員に専門医の取得を勧めています。現状、助教クラス以上の医師の90%が専門医を取得しています。
〈取得を勧めている専門医資格〉
日本内科学会
日本腎臓学会
日本透析医学会
当教室は専門医取得のための症例数も非常に豊富であり、優秀な医師が多いので、多くの場合は最短で専門医資格を取得する医師がほとんどです。
現在は海外に1名、国内に1名の計2名が留学に行っています。
医師の海外留学というと基礎研究を目的としたものが多いのですが、当教室は臨床を学びたいという思いが強い医師が多いので、海外留学を希望する医師はそう多くありません。しかし学ぶ意欲の高い医師にはしっかりとサポートできる体制を整えています。
また国内留学に関しましては臨床研究を目的とし、臨床で活躍している外部の病院に医師を送っています。
それぞれの病院の人員やタイミングに合わせて交換留学の制度を組み、互いに無理なく学びのある留学ができるよう協力しています。
また留学先の病院によっては腎臓領域だけでなく、リウマチ領域を同じ教室で研究しているところもあり、当教室だけでは学べない分野を学び、視野を広げることもできます。
当教室の研究内容は大きく臨床研究と基礎研究にわかれます。研究は主に大学院生が主体となって行われますが、臨床研究に限り希望に応じて大学院生以外でも行うことができます。
臨床では学内・関連施設の症例を用いた全国レベルの研究を行っています。研究対象は幅広く、透析患者さんはもちろん、透析前の腎臓病患者さんを対象にした研究も行なっています。
臨床研究は希望すれば大学院に入学していない医師でも行うことができます。若い医師の場合は入局から2〜3年目以降に、症例報告の発表や臨床研究ができるよう調整しています。しかし、当教室は常に30〜40床の患者さんを抱えている非常に臨床の盛んな病院で、かつ医師たちが大変教育熱心であるため、後輩の指導にも積極的です。そのため現在は大学院に入学せずに、臨床と研究を両立するのはやや難しいという現状があります。このような背景を考慮し、助教クラス以上の医師には毎年1〜2ヶ月研究期間を設け、研究に専念できる環境を作っています。
基礎研究は主に大学院生を中心として行われています。研究内容としては、当教室出身で2017年4月より当学の解剖学の教授になられる池森敦子先生を中心とした腎臓のバイオマーカーの研究がメインです。バイオマーカーとは特定の疾患の診断・予測に用いられる指標のことで、腎臓病のモニタリングに役立てられます。
またこのほか、当学の薬理学教室・生化学教室などの基礎研究室との共同研究も盛んに行われています。
当教室は研究活動も活発で、多くの論文を発表しています。教室オリジナルの論文ですと、英文が20本前後、和文が10本前後と年間で計30本程度の論文を発表しています。
聖マリアンナ医科大学は大学病院であると同時に地域密着型の病院でもあります。そのため、当教室でも質の高い臨床医の育成に力を入れています。
また、当教室では今後医療の現場で求められる全身を診る内科医、ジェネラリストの育成に尽力しています。80歳以上の日本人のうち、40%は腎臓疾患を罹患している昨今、腎臓を専門的にみることができるジェネラリストは活躍できることでしょう。
腎臓・高血圧内科という広い領域にはさまざまな分野があります。私は体液電解質管理が専門ですが、教室の中には病理組織をみて診断をつけることに興味のある医師や、透析に詳しい医師など、さまざまな専門性を持った医師がいます。このようにジェネラリストとしての視点を基盤に、自分の得意とする分野のスペシャリストを育てることが腎臓・高血圧内科教室としての1つの目標です。
所属医師 | 45名 |
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専門医 | 16名 |
男女比 | 6 : 4 |
所属医師の 主な出身大学 |
聖マリアンナ医科大学、その他全国の大学出身者が研修に来ています。 |
同大学出身者と 他大学出身者の比率 |
55:45 |
聖マリアンナ医科大学の腎臓・高血圧内科は神奈川県川崎市にある本院「聖マリアンナ医科大学病院」と附属病院である「聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院」、本学が指定管理者になっている「川崎市立多摩病院」、さらに関連病院である「稲城市立病院」の4つの病院を中心に臨床を行っています。教室員の数は45名で、本院には31名、ほか3院には14名の医師が在籍しています。
当教室に所属する医師の出身大学は幅広く、全国各地から集まってきます。毎年5〜10名ほどの医師が入局し、そのうち3名ほどが聖マリアンナ医科大学、4〜5名ほどが外部の大学からやってきます。
当教室が外部大学出身の医師にも支持される理由は、患者数が多く、教育環境がしっかりしていること、そして充実した臨床経験が積めるところにあると考えています。なかには臨床の力を磨いたあと、教室を離れてそれぞれの道を歩む方もいますが、個人の意思を尊重し、応援していく方針です。
当教室は45名中15名が女性であり、カンファレンスをインターネット上で聴講できるシステムを随時利用するなど、育児や介護などで忙しい女性でも働きやすい環境の構築に取り組んでいます。
昨今は医療従事者が協力しあって患者さんのケアを行うチーム医療が求められていますが、これは医療従事者と患者さんの関係だけに限らず、医療従事者と医療従事者の関係においてもいえることです。お互いを尊重し、助け合い、感謝の気持ちを持ち、いかにしてよりよいチーム医療が実現できるかを日々模索しています。
当教室の入局者の中には、もともとは総合診療や感染症内科、救急など別の診療科で活躍していた医師が多数います。同じ診療科の医師だけが集まると、価値観が閉じてしまうことがありますが、当教室の多様性のおかげで、多様な価値観や知識を学ぶことが可能です。
また、医療施設は施設ごとに方針に大きな違いがありますが、当教室では常に新たな視点が加わってくるので、他では得難い発見にあふれています。
住所:神奈川県川崎市宮前区菅生2丁目16-1
電話:044-977-8111
公式HP:http://www.marianna-u.ac.jp/hospital/
メディカルノートで病院詳細を見るこの医局の情報をインタビューさせて頂いた先生
聖マリアンナ医科大学 腎臓・高血圧内科 教授
柴垣 有吾 先生
聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科にて教授を務める。専門の腎臓領域のみならず、超高齢化社会を迎える日本において、患者のQOL・ADLを維持、増進させるための医療を目指し、高齢者の身体機能・認知機能を保つための治療、研究に力を注ぐ。また、専門分野だけでなく総合的な医療を提供できるプライマリ・ケア医を育成すべく、学生や研修医への教育にも尽力している。