公開日 2018年11月04日 | 更新日 2018年11月13日
医局とは?
まとめると・・・
- 大学とその附属病院における臨床、研究、教育、人事を担う講座とされている
- 基礎研究、行政との連携、希少症例、留学など、医師として幅広い経験を積むことができる
医局とは?
医局とは
医局という言葉に明確な定義は存在しません。一般的には、大学とその附属病院における臨床、研究、教育、人事を担う講座を示すことが多いです。その場合には「大学医局」とも呼ばれます。
医局制度は明治時代に、帝国大学(現・東京大学)、京都大学、名古屋大学、大阪大学、九州大学、東北大学、北海道大学などが、当時のドイツを手本に医局講座制を導入したことで始まったとされています。
医局の特徴
医局では、研究、行政との連携、希少症例の診療、留学など、幅広い経験を積むことができます。なかでも特に基礎研究ができること、学位(博士号)を取得できることは、大きな特徴といえるでしょう。
医局に属することで、就業に関するリスクが軽減される可能性があります。たとえば、産休や育休、留学などで一時的に臨床を離れたとしても、再トレーニングを含めてスムーズに現場へ復帰できる傾向があります。
また、医局で培った人脈や仲間が、その後のキャリア形成を導く手助けになりえます。たとえば、将来的に開業する際に病診連携がスムーズに形成できるといったケースです。
一方で、医局の専門分野によって、症例に偏りが生じることがあります。
医局と市中病院との違いは?
現在、大学医局と市中病院の連携が進んでおり、双方に明確な違いはなくなりつつあります。しかしながら、一般的には以下の点が異なる傾向もみられます。
市中病院の特徴
市中病院は、数多くの症例に対する診療を手がけ、臨床医としての経験を積めることが特徴です。なかには、豊富な症例を活用した臨床研究を得意とする市中病院もあります。
一方で、基礎研究は、大学病院の医局、あるいはナショナルセンターのように研究施設を併設した公的医療機関だからこそできる研究ともいえます。
引用:https://www.recruit-dc.co.jp/contents_feature/nocareerplan/
医局に入局するタイミング
引用:厚生労働省「平成28年度臨床研修修了者アンケート調査結果概要」26ページ
ポイント!
医局のポイント
幅広い経験
- 基礎研究、行政との連携、希少症例、留学など、医師としての経験の幅が大きい
- 若手の頃から幅広いロールモデルをみられる
- 学びながら将来像を描き、その後のキャリアパスを形成できる
研究(特に基礎研究)
- 学位(博士号)を取得できる:基礎・臨床研究や論文執筆がある
- 専門医など、資格を取得できる
- リサーチマインドを養える
人脈や交流
- 将来につながる人的交流や上級医からの指導がある
- 人との縁が有効にはたらき、独立などがスムーズにいきやすい
安心して働ける
- 就業に関するリスクの軽減
- 出産・子育てしやすい(大学医局のシステムによる)
- 外勤(アルバイト)で好条件の働き口を紹介してもらえることがある
医局の特色による影響
- 医局人事による異動がある
- 医局の専門分野により、症例に偏りが生じることがある
- 医局に関連する医療機関の豊富な情報が得られ、視野が広くなる