公開日 2018年11月06日 | 更新日 2018年11月06日

帝京大学

帝京大学医学部附属溝口病院 耳鼻咽喉科学

耳科手術を専門とし、年間およそ250件以上の鼓室形成術を行う。

帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科学は、おもに耳の手術(鼓室形成術)を専門としており、年間およそ250件以上を手がけ、私自身は現在までに延べ2,000件以上の手術実績があります。
なかでも真珠腫性中耳炎(鼓膜の炎症が周囲の骨組織を破壊していく耳疾患)に対して、「外耳道後壁保存型(クローズ法)」の手術を中心に行っています。外耳道を自然な形で残す外耳道保存型は、手術の難易度は高いのですが、術後に耳掃除のための受診が不要・イヤホンや補聴器が装用できる・自然な状態で聴こえが良いなどの点から、患者さんのQOL(生活の質)を高く保つことができる点が最大のメリットです。

医局情報

診療科 耳鼻咽喉科
専門分野 耳鼻咽喉科学
症例・
手術数
耳の手術(鼓室形成術)を年間およそ250件以上
関連病院

当院

関連病院

帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科学の専門外来

中耳炎・真珠腫外来

難治性中耳炎や中耳真珠腫に対し、外耳道本来の形を温存する外耳道後壁保存型(クローズ法)中心の鼓室形成術を行っています。入院期間も1週間程度で、術後の耳内乾燥までの期間が短いのが特徴です。手術までの耳処置と術後の定期的なフォローを「中耳炎・真珠腫外来」で行っています。

担当医師:白馬伸洋:水曜日・金曜日 8:30~11:30

鼓膜再生外来

鼓膜に穴があいていることで難聴となる穿孔性中耳炎に対する日帰り手術―鼓膜再生治療―を行っています。当院で行う鼓膜再生治療は、鼓膜再生の足場としてシリコン膜で支えられた人工コラーゲンを鼓膜の穴に挿入し、鼓膜を再生促進する作用を持つ薬を加えることにより、日帰りで鼓膜の穴を閉鎖させる最新治療です。私の手術法では血液製剤の糊を使用する必要が無いため感染症などの心配がありません。

担当医師:白馬伸洋:水曜日 14:00~17:00

補聴器リハビリテーション外来

日本では補聴器を購入しても「騒音ばかりでうるさい」、「言葉の聴き取りが難しい」と訴える方が多く、うまく活用できずに補聴器を諦める方がたくさんいらっしゃいます。当院の補聴器リハビリテーション外来では、補聴器を有効活用するための装用指導と調整に加え、言語聴覚士による追唱訓練を中心とした積極的な聴覚リハビリテーションを行っています。補聴器で聴こえを代償し、十分な聴覚刺激を入力することでことばの聴き取り能力など脳の聴覚領域の機能改善を図ります。耳鳴に対する効果や認知症予防が期待できるリハビリテーション治療です。

担当医師:白馬伸洋・鈴木大士・福永陽子、担当言語聴覚士:三瀬和代 水曜日・木曜日 14:00~17:00

音声治療外来

音声治療外来では、声が出なくなった、続かない、かすれる、高い声や大きい声が出ない、などの“声の障害“をきたす喉頭疾患の診断と、専門の言語聴覚士による音声訓練を行います。

担当医師:鈴木大士:火曜日 14:00~17:00

鼻・副鼻腔外来

アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(ちくのう症)、嗅覚障害、鼻・副鼻腔腫瘍(上顎がんなど)、鼻外傷(鼻骨骨折など)、鼻出血、鼻中隔弯曲症、肥厚性鼻炎(鼻閉)などの鼻・副鼻腔疾患の診断と専門的な治療を行います。

担当医師:坪田雅仁:月曜日 14:00~17:00

めまい外来

メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎などのめまい疾患の診断と専門的な治療を行います。

担当医師:坪田雅仁・室伏利久:木曜日 14:00~17:00

地元の開業医と連携をとり患者さんのフォローを確実に行う

耳は、聴覚はもとより味覚・方向感覚などを司り、患者さんのQOL(生活の質)に大きく関わる器官です。

耳疾患は「手術が半分、そのあとが半分」、つまり手術をしただけでは不十分で、術後のフォローが非常に大切です。たとえば慢性中耳炎ならば術後1〜2年、真珠腫性中耳炎なら最低5年、長くて10年もの間、フォローしていかなくてはなりません。そこで重要になるのは、私たちが手術をした患者さんの術後を、地域の病院できちんとフォローしてもらうことです。当教室では、地域の研究会などを通して開業医の方々と信頼関係を構築しスムーズな連携をとっています。

病院内の協力体制が整いスムーズな診療が可能

設備は、各診察室に顕微鏡と電子ファイバースコープがあり、聴力検査室も2室になる予定で、スムーズな診療が可能です。また放射線技師などコメディカルの方々も協力的で、緊急でCT検査を要請した場合、病院内が忙しいときでも快く引き受けてくださいます。

患者さんにメリットの大きい外耳道後壁保存型(クローズ法)を極めたい、そして耳の手術で日本一になるという当教室の信念に共感してくれているからこその協力体制であるように思います。私たちはその期待に応え、より多くの患者さんの力になりたいと考えます。

教室の魅力

いわゆる「医局」ではなく耳疾患の治療(手術)を極める場所

一般的に医局は、大学の決定に従って人事異動が行われます。しかし、当教室は「耳疾患の手術を学び極めたい」という意志をもつ教室員が全国から集まる、新しい形の医局です。実際に当教室には、国内外の学会・実習での出会いをきっかけに、北海道大学・福島県立医科大学・富山大学などから自らの意志で移ってきた教室員が在籍しています。

当教室では、前述の外耳道後壁保存型(クローズ法)を中心に、あらゆる耳の手術を学びます。私たちの目標は「耳の手術なら帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科」といわれる存在になること、そして、当教室で学んだ教室員が全国47都道府県に戻り、そこで耳疾患に関する治療の中心的な存在になってくれることです。

大学という組織のなかで臨床に専念できる

一般的には、医師として臨床を極めるためには研究から離れなくてはなりません。私たちは、そのような状況を打開すべく「臨床を極められるアカデミックな施設(大学)」を作りたいと考えています。徐々に教室の体制が整い、日本トップレベルの手技を学びながら、ときには大学らしい研究にも注力できる環境が整いつつあります。

教育体制・キャリアパス(専門医及び学位の取得)

1.学位・専門医の取得

学位・専門医ともに取得できる環境が整備されつつある

帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科学では、専門医・学位ともに取得できる環境が整いつつあります。学位に関しては、帝京大学大学院、連携先である京都大学でも取得することが可能です。

2.論文掲載の実績

豊富な症例を活用し論文執筆を進めていく

2017年に私が就任してから日が浅いこともあり、現状では日本語論文のみ発表しています。当教室は先述の通り臨床に力をいれており、年間に多くの手術を手がけています。今後は、蓄積された豊富な臨床データを活用し、手術成績を含めて英語・日本語双方の論文執筆を進めていく予定です。

3.留学

連携先の京都大学を筆頭に国内外ともに留学は可能

当教室は先述の通り、外耳道後壁保存型(クローズ法)を中心とした耳の手術を学ぶために最適な環境です。2017年現在、海外留学をしている教室員はおりませんが、連携先の京都大学を筆頭に、国内外ともに留学は可能です。ゆくゆくは、京都大学と国内留学を相互に行い、人材交流できることを目指しています。

医局の構成

所属医師 7名(科長・教授1名、教授1名、准教授1名、講師1名、助手2名、後期研修医1名、言語聴覚士1名)
専門医

5名

男女比

6 : 1

所属医師の
主な出身大学

愛媛大学、東京大学、富山大学、福島大学、京都大学、東海大学

同大学出身者と
他大学出身者の比率

全員が他大学出身

帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科学には、主任教授1名、教授1名、准教授1名、講師1名、助教1名、助手1名、後期研修医1名、言語聴覚士1名の計8名の教室員が在籍しています。同じ意志のもとに集まった教室員たちは互いに切磋琢磨し、真面目ながらも明るい雰囲気で過ごしています。

卒業大学

  • 白馬伸洋:愛媛大学
  • 室伏利久:東京大学
  • 坪田雅仁:富山大学
  • 大野 覚:大阪市立大学
  • 鈴木大士:福島大学
  • 福永陽子:京都大学
  • 水津亮太:東海大学

所属医師のインタビュー

研修生へのメッセージ

今後、患者さんが医療を選択する時代になっていくでしょう。そのような流れのなかで、私たちは「耳の手術なら帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科」といってもらえるような存在に発展したいと考えています。
「教室員とともに切磋琢磨し、患者さんのためになる手術を極めたい」という熱意を持った方々の入局を、心からお待ちしています。

この医局の情報をインタビューさせて頂いた先生

帝京大学医学部附属溝口病院 耳鼻咽喉科教授・科長

白馬 伸洋 先生

日本の耳科手術の第一人者。特に中耳炎や真珠腫を対象とした鼓室形成術を専門としており、その他アブミ骨手術や人工内耳埋め込み術などの手術を手掛けている。虚血性内耳障害に対する内耳再生研究や、穿孔性中耳炎に対する鼓膜再生研究の業績も多数ある。また補聴器を用いた聴覚のリハビリテーションの臨床研究も行っている。