公開日 2019年01月10日 | 更新日 2019年01月10日

日本医科大学

アレルギー膠原病内科学分野

膠原病診療に対する社会的ニーズに応えるべく誕生した新進気鋭の教室

日本医科大学大学院医学研究科 アレルギー膠原病内科学教室は、2014年7月に開講した、誕生して間もない教室です。
日本医科大学は日本最古の私立医学部ですが、これまで膠原病を専門とする内科部門はありませんでした。
その一方、我が国の類縁疾患を含めた膠原病の患者数は2018年現在、200万人を超え、その多くは難病に指定されており、医療ニーズはますます高まっています。膠原病領域では次々に新しい治療薬が導入され高い専門性が求められていますが、わが国では膠原病専門医が圧倒的に不足しています。このような状況下で、社会的ニーズに応えるべく当教室は開講されました。
膠原病を専門とする独立した教室を有する大学医学部が少ないなか、当教室は膠原病専門医の育成と、膠原病の研究と診療を通じて、さらなる医療の発展に寄与する使命を持っています。

医局情報

診療科 アレルギー・リウマチ科
専門分野 膠原病および類縁疾患
症例・
手術数
2018年の主な対象疾患の外来・入院患者数:関節リウマチ( 外来738、入院42 )全身性エリテマトーデス(外来84、入院15 )全身性強皮症(外来179、入院27 )多発性筋炎・皮膚筋炎(外来65、19 )混合性結合組織病(外来37、10 )ベーチェット病(外来80、入院5)血管炎症候群(外来88、入院36)
関連病院

Map hospital当院

Map related hospital関連病院

教室開講から間もない新しさも魅力

大学医学部に所属する教室の多くは、長い歴史を持つでしょう。実際に、私たちの大学においても、伝統と多くのOBを有する教室が多数あります。

一方、アレルギー膠原病内科学分野は、創設から間もない教室です。私たちの教室の特徴は、異なるキャリアを積んで膠原病内科領域で指導的立場にあった教授、准教授3名が集まり、これまでの経験をもとに相談しながら方針を決めている点です。

幸いなことにOBや伝統の縛りがないので、自由な発想で、新たな歴史や伝統を作っていくことがでます。もちろん、若手の意見を取り込み、柔軟な発想で自ら医局が進むべき方向を形づくることができる醍醐味は、大きな魅力であるでしょう。

専門分野

全身性強皮症・皮膚筋炎・ベーチェット病など難治性病態の診療や研究に注力

当教室では特に膠原病の難治性病態を専門にしており、その克服を目指した診療・研究に注力しています。特に全身性強皮症、皮膚筋炎、ベーチェット病や、間質性肺疾患、肺高血圧症、末梢循環障害、腎炎などの難治性臓器病変を持つ患者さんの割合が多いことが特徴です。これらの疾患に罹患する患者さんのなかでも、特に重症の患者さんを受け入れています。

難治性疾患の治療解明に取り組む

膠原病は20年前と比較して大幅に治療が進歩し、患者さんの予後は改善されています。しかし、病態解明が進んでいない疾患や、十分な治療法が確立されていない難治性病態も残されています。

当教室は、これまで臨床に有用な自己抗体などバイオマーカーを数々同定し、新薬の臨床試験を主導し、国内はもとより国際的にもトップクラスの研究実績を残してきました。引き続き、難治性病態の克服につながる基礎研究や臨床研究に積極的に取り組んでいます。

研究事例

  • 自己抗体の臨床的意義の追究
  • 自己免疫疾患発症における免疫制御機能の破綻メカニズムの解明
  • 膠原病難治性病態の出現・予後予測に有用なバイオマーカーの検索
  • 膠原病に伴う間質性肺疾患の病態解析
  • 肺動脈性高血圧症病態形成機序の検討
  • ベーチェット病におけるマクロファージ異常の機能解析

教育体制・キャリアパス(専門医及び学位の取得)

1.研修の流れ

膠原病では複数の臓器が同時に障害され、また治療により感染症、動脈硬化、骨粗鬆症など様々な合併症が誘発されることから、その予防や長期的な管理も同時に求められます。そのため、頭から足先まで全身の診察を必要とし、さらに自己抗体など免疫検査、画像、病理所見を幅広い観点で解釈する能力も必要です。

詳細な問診、身体所見、検査所見から得られた情報を広い視野に立って総合的に判断する能力が求められ、全身管理のできる医師に成長することができます。このような点で、当科は内科サブスペシャリティの中でも最も内科らしいといえます。

当教室では、膠原病スペシャリストを育成するため、新専門医制度に基づいた研修プログラムに準拠しつつも、可能な範囲で膠原病診療に特化したプログラムを実施いたします。最短で入局後4年間の研修後に内科専門医、リウマチ専門医を取得できる研修プログラムを実践しています。1年目は、内科全般を経験しつつ、膠原病診療に必要な基礎知識を広く習得し、2年目、3年目は、専門的な膠原病診療を研修することで膠原病診療に必要なスキルを身につけます。大学付属病院だけでなく、連携施設で膠原病専門医のもとで研修を積む期間も予定しています。

2.キャリアパス

当教室では、さまざまなキャリアパスを選択することが可能です。各々の目指すゴールは同じではなく、将来基幹病院やクリニックでの専門医としての勤務、大学などアカデミアで診療・研究への従事など、多くの選択肢があります。内科専門医、リウマチ専門医取得までは専門医制度の範囲内で研修を行うことが求められますが、個々の希望を踏まえ、柔軟に対応できるシステムになっています。

3.関連病院

当教室の関連病院は大きくわけて2種類あります。

一つは、専門医プログラムの一貫として、専攻医が研修する連携病院です。膠原病スペシャリストが指導医として常駐する主に東京都や神奈川県など近郊の基幹病院になります。

もう一つは、本学の医療圏にある施設です。私たちの大学の近隣には膠原病専門医が常在する施設が少なく、地域の小〜中規模の病院で週に1〜2度、膠原病専門外来での診療のために教室員を派遣しています。地域医療に貢献すると共に、若手の診療経験としてスキルアップに役立っています。

4.留学

2018年現在、当教室には留学している者はおりません。それは、開設から間もなく、大学院2年次以下しかおらず学位取得者がまだいないことが原因です。学位取得後は希望すれば海外留学を積極的に勧めています。

私のこれまでの交流関係で留学を受け入れる施設はアメリカ、イギリス、フランス、イタリアやドイツなどに多数あります。海外での臨床、研究の研修を希望する方は、積極的にサポートいたします。

留学は、主に学位取得後に研究を目的として2-3年間の長期滞在だけでなく、臨床経験を積むために3か月から半年ほどの短期研修も可能です。

医局の構成

所属医師 15名
専門医

専門医: 日本内科学会総合内科専門医 6名、日本リウマチ学会リウマチ専門医 5名
指導医: 日本リウマチ学会リウマチ指導医 4名

男女比

12:3

所属医師の
主な出身大学

慶應義塾大学、島根大学、山梨大学、東京慈恵会医科大学、新潟大学、日本医科大学など

同大学出身者と
他大学出身者の比率

4:11

当教室には、2018年現在、大学院生、研修生を合わせて15名が所属しています。もともと日本医科大学に膠原病内科がなかったため、教室員の出身大学、キャリアはきわめて多様です。たとえば、私は慶應義塾大学卒ですが、准教授のうち一名は島根大学卒、もう一人は山梨大学卒で、それぞれ横浜市大と自治医大で膠原病内科の准教授を務めてきました。助教や大学院生も日本医科大学をはじめ、慶應義塾大学、東京慈恵会医科大学、新潟大学など多彩です。

多様な専門を持つ仲間が視野を広げてくれる

膠原病学は比較的新しい分野のため、全国医学部の中で独立した講座がある大学は20程度しかありません。

そのため、他の内科分野の研修を受け専門医を取得したあとに、膠原病に興味を持って転向する者も少なくありません。

私たちの教室員のなかにも、腎臓内科、神経内科の専門医を取得した後に入局した者がおります。臓器別の内科医として経験を積むなかで、多臓器を障害する複雑な病態の膠原病に関心を持ったのではないかと思います。

このように、多様なバックグランドを持つ仲間たちは、研修を積む若手にとって視野を広げてくれる存在になるでしょう。カンファレンスでも、一人の症例に対して異なる専門からの意見をもとに積極的にディスカッションすることで、互いによい刺激を与えあっています。

女性の膠原病内科医は増加傾向にある

教室員の15名のうち、2018年現在、女性は3名おります。来年度も女性の入局者が増える予定です。

全国的に、膠原病内科医を目指す女性医師は増加傾向にあり、最近の男女比はほぼ半々になっています。

膠原病の患者さんの9割は女性であることに加え、慢性疾患である膠原病の診療では、結婚、妊娠、出産など女性特有なナイーブな内容を避けて通ることができません。

このため、当教室では男性のみならず女性の入局も歓迎しています。

所属医師のインタビュー

研修生へのメッセージ

新しい教室を作り上げる中核となり活躍してほしい

お話ししたように、当教室は開設間もない新しさが大きな魅力です。ようやく骨組みができたばかりですので、これから入局する方たちが、中核として教室を作り上げてくれることを期待しています。
伝統やルールがない分、多くの事案を決めなくてはいけませんが、その分、ここには自分の意志でやりたいことができる環境があります。
当教室では、多様なバックグラウンドを持つ教室員が、お互いに切磋琢磨しています。膠原病に興味があり学びたいという強い意志がある方であれば、卒業大学や専門を問わず、ぜひ積極的に当教室に入局してほしいと思っています。
新たに入局する皆様の力で、当教室を大きく発展させてください。

この医局の情報をインタビューさせて頂いた先生

日本医科大学 大学院医学研究科アレルギー膠原病内科学分野 大学院教授 、日本医科大学付属病院 リウマチ・膠原病内科 部長、強皮症・筋炎先進医療センター センター長

桑名 正隆 先生